号泣のドラフト指名漏れから3年、韓国21歳が日本で掴んだ大チャンス 打率.156でも…買われた2軍球団での“経験”

打率.156でも買われた経験…日本に渡ったから作れた“遅咲き”の道
韓国では球速の向上が、日本より数年遅れで始まっている。ここでチャン・ヒョンジンが日本で積み重ねた経験は、韓国の若手選手より先をいっていると判断されたのだ。くふうハヤテの試合には、韓国プロ野球の各球団から編成担当者が姿を見せていた。
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今季、ウエスタンリーグで残した成績は26試合で64打数10安打の打率.156。10安打のうち5本が二塁打というパンチ力は目を引くものの「もっといい成績を出してから韓国に行きたいと思っていましたが……」というのは本音だろう。初安打までに13打席を要したことを考えれば、ようやく環境に適応し始めていたところだった。
2022年夏に行われた韓国プロ野球のドラフトで指名漏れ。会議の最後まで名前を呼ばれなかった日の記憶は「めちゃめちゃ泣きました。終わった……どうしようという感じで」と今も生々しい。とにかくたくさん試合に出られる環境を探し、未知の日本を目指した。最初は独立リーグの徳島、そしてくふうハヤテと、レベルの高い相手と対戦できる環境を目指した選択は間違っていなかった。
韓国プロ野球の生存競争は、日本以上に厳しい。チャン・ヒョンジンのソウル高のチームメートには、ドラフト指名されたもののすでに解雇され、野球をやめてしまった選手もいる。韓国には企業が抱える社会人野球がない。また近年は独立リーグが誕生しているものの、選手がお金を払ってプレーするケースが多く、環境は日本に遠く及ばない。遅咲きの選手が生まれる環境に乏しく、高校や大学からプロ入りできなかった選手は野球をやめてしまうケースが大半だ。
その中で日本に活路を求めたチャン・ヒョンジン。「マジでレベルが違いました」と、NPBからドラフト指名された選手との日々を振り返る。今度は自分が、日本で身に着けた能力を発揮して、刺激を与える番だ。先駆者の戦いはまだ、続いていく。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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