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冬季五輪の新競技「スキーモ」の魅力とは 開幕まで8か月、初の広域開催ミラノ・コルティナ五輪の今――組織委員会・丸山尚子さん

オリンピックの夢を、裏方として実現した元アルペンスキー選手がいる。丸山尚子氏(54)は、来年開催されるミラノ・コルティナダンペッツォ大会組織委員会の日本人スタッフ。21年に行われた東京大会組織委員会で働き、昨年5月にミラノの組織委員会入りした。開幕まで8カ月と迫った大会準備はこれから本番。初の広域開催となる大会の準備状況、追加競技「SKIMO(スキーモ)」の魅力、そして両親ともにオリンピアンという丸山氏の五輪への思いを聞いた。(前後編の後編、取材・文=荻島 弘一)

開幕まで8か月、初の広域開催ミラノ・コルティナ五輪の今とは【写真:Getty Images】
開幕まで8か月、初の広域開催ミラノ・コルティナ五輪の今とは【写真:Getty Images】

ミラノ・コルティナダンペッツォ大会組織委員会 丸山尚子さんインタビュー後編

 オリンピックの夢を、裏方として実現した元アルペンスキー選手がいる。丸山尚子氏(54)は、来年開催されるミラノ・コルティナダンペッツォ大会組織委員会の日本人スタッフ。21年に行われた東京大会組織委員会で働き、昨年5月にミラノの組織委員会入りした。開幕まで8カ月と迫った大会準備はこれから本番。初の広域開催となる大会の準備状況、追加競技「SKIMO(スキーモ)」の魅力、そして両親ともにオリンピアンという丸山氏の五輪への思いを聞いた。(前後編の後編、取材・文=荻島 弘一)

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 ミラノ・コルティナ大会で話題なのが、追加種目(東京大会での野球・ソフトボールなど)としてSKIMO(スキーモ)が五輪デビューすること。丸山氏は、日本で競技を管轄する日本山岳・スポーツクライミング協会のSKIMO委員会で常任委員も務めている。

「簡単に言うと、雪上のトライアスロン。スキーはアルペン寄りでエッジがあって、ハードブーツを履く。上りでは板に(滑り止めの)シールを貼り、下りは外して滑降する。スキーを担いでブーツで登る区間もあります。それぞれの間に装備を変えるトランジションもあって、そこもトライアスロンに似ていますね」

 正式名称は「スキーマウンテニアリング」で、日本語では「山岳スキー」と呼ばれる。もともとは山間部の移動手段や山岳軍のトレーニングの一環として行われていたもので、日本ではなじみが薄いが欧州では盛ん。人気のウインタースポーツだという。

「ミラノ・コルティナ大会で行われるのはスプリント種目と混合リレー。本来はバックカントリーの長距離で争われるのですが、今回はゲレンデ内にコースを作ったスピードレース。見渡せるので、おもしろいですよ。ちょっと運動会を見ているような(笑)」

 欧州で盛んなSKIMOが行われるなど「欧州色」が漂ってきそうなミラノ・コルティナ大会。18年平昌、22年北京とアジアの大会が続き、冬季大会は14年ソチ大会以来12年ぶりの欧州開催となる。現地に入り、大会に携わる丸山氏も「欧州」を感じるという。

「日本では、まだまだウインタースポーツはマイナーな面も多いですが、ヨーロッパでは違いますね。いろいろな競技のW杯や世界選手権が日常的に行われていて、盛り上がるし、テレビ放送もされる。スポーツが盛んだという感じはします」

 東京大会で「機運醸成」が叫ばれたように、アジアの大会では五輪パラリンピックを盛り上げるのに力を注ぐが、ミラノ・コルティナではそれほどではないという。

「今は季節的にも静かですよ。でも、近づけば自然と盛り上がってくる。大陸なのでイタリアに来る人も飛行機とは限らない。気軽に車で来て、大会を見る。ウインタースポーツの転戦の中にオリンピックがある感じ。スポーツがライフスタイルに溶け込んでいる。スポーツがトレンドではないから、居心地がいいんです」

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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