ハリル采配に見えた“決断”の難しさ J名将が達した境地「9割思うように運ばない」
「采配というのは9割方、思うようには運ばないものだ」――ネルシーニョ
若い時は3秒待たずに選手交代…ネルシーニョ監督が語る「広い視野」の重要性
「采配というのは9割方、思うようには運ばないものだ」――ネルシーニョ
先のワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦(1-1)では、バヒド・ハリルホジッチ監督の采配が完全に裏目に出た。FW原口元気は「疲労困憊だった」と見て後半25分に交代させたが、カードを切った直後にDF酒井宏樹、FW久保裕也が相次いで動けなくなり、苦戦を強いられることになった。
それ以前に自ら「重要な一戦」と位置付けた試合で、DF森重真人を初めとする常連を外し、到底起用するとは思えない選手を抜擢した。ベテラン監督として、様々な面で疑問符のつく判断が目立った。
冒頭の言葉は名古屋時代のネルシーニョ監督のものである。経験を積み重ねた同監督は、9割方思うように運ばないのを承知して、努めて冷静に戦況を見守っている。
「若い時は、選手交代も3秒と待たずにやっていた。しかし経験を重ねて、もっと広い視野で状況を捉え、慎重な判断を下せるようになった。今動きが悪い選手がもう一度蘇るのかどうか。その境目を見極められるようになったんだ」
かつてはネルシーニョ監督も、ベンチから大きなジェスチャーで声を張り上げていたという。