フォロワー急増の24歳、青木香奈子が救っていた「親友」の秘話 一度は諦めたプロで「また、戦いたくて」
青木もゴルフを諦めかけた過去、救われた男性の存在とは
青木も木下さんと同様に、ゴルフから離れた時期があった。22年夏、4度目のプロテストに失敗した後、「もう、大学を出る年齢。これ以上は親にも迷惑をかけられない」と思ってのことだった。
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だが、半年が過ぎてキャディーの仕事を続けていた中で、研修生時代に顔見知りとなったコースの男性会員と再会。プロテスト合格を諦めたことを伝えると「続けなきゃダメだ。宮崎にずっといるから力が出せないんだよ。関東に行けば、試合の機会はたくさんある。そのための必要経費は出してあげるから、絶対に続けなさい」と強く言われていた。
この言葉をきっかけに、青木は再起した。5度目となった23年プロテストは2次予選不通過だったが、実戦経験が増えたことで手応えをつかみ「もっと、試合に出たい」と24年2月、宮崎から東京へ転居。始めたインスタグラムも話題になり、ゴルフ番組の他、さまざまな試合やプロアマ大会から出場オファーが届くようになった。
そして、合格率3.74%の超難関を突破。瞬く間に集まったスポンサー9社と契約した。得た資金は自分のレベルアップに使っている。
「今、私にはコーチがたくさんいます。もともと宮崎にいた頃からお世話になっているスイングコーチ、自分でDMを送ってお願いしたパッティングコーチ、アプローチコーチ、メンタルコーチです。そうしたプロの方々に教われるのも、スポンサーの方々のおかげです」
ただ、プロデビュー戦のキャディーはプロではなく、木下さんにオファーした。それは「気心が知れた関係」だからだという。
「私は緊張してしまうタイプなので、夏帆ちゃんがいると安心できると思ったからです。実際、そばで冗談を言ってくれたり、2人でハマっている歌を口ずさんだりして、リラックスできました。本当に助かりました」
青木にとっては「自分のため」だったが、それは木下さんのためにもなっていた。「この場でプレーしたい」と、合格へのモチベーションをさらに高めていたからだ。青木は実感を込めて言った。
「今のプロテストに合格できたということは、セッティングの難しいレギュラーツアーの試合でもやれる。そのことはリカバリー率(66.6667%)を含めたスタッツでも、感じることができました」