報道陣激減、ロス五輪は非実施でも…「ブレイキンは変わらない」と言い切った意味 復活のカギは“ポスト・バッハ”
ブレイキンの全日本選手権が15、16日に東京・渋谷のNHKホールで行われた。パリ五輪での実施が確実になった後の19年11月に第1回が行われ、これが6回目。次回28年ロサンゼルス五輪では実施されないことが決まっているため、初の「五輪を控えない全日本」だった。

全日本選手権ではShigekixとAyaneが初の姉弟同時優勝
ブレイキンの全日本選手権が15、16日に東京・渋谷のNHKホールで行われた。パリ五輪での実施が確実になった後の19年11月に第1回が行われ、これが6回目。次回28年ロサンゼルス五輪では実施されないことが決まっているため、初の「五輪を控えない全日本」だった。
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五輪競技でなくなり、報道陣は激減した。NHKは生中継したが、五輪前に比べてメディア露出も限られた。それでも、会場には多くのファンが集まり、大会は盛り上がった。
男子の優勝はパリ五輪4位のShigekix(半井重幸、22)。ピタリと動きを静止させる「フリーズ」は見事で、リズムに合わせる「音ハメ」も決まっていた。2大会ぶり4回目の優勝だったが、独創性や表現力など五輪の時以上の進化しているように感じた。
女子はAYANE(半井彩弥、27)が優勝した。会社員をしながらプロのダンサーとして活動するShigekixの姉は、得意の「パワームーブ」を武器に安定したダンスで第1回以来5大会ぶりの頂点に立った。号泣する姉に笑顔の弟。五輪につながらない初の大会で、五輪競技のブレイキンを引っ張ってきた姉弟が初めて同時に優勝した。
28年ロス五輪で実施しないことが決まった23年10月、Shigekixは前向きに「外れることでブレイキンの可能性が広がる」と言った。最初は耳を疑ったが「五輪のおかげでスポーツとして多くの人に知ってもらえたけれど、五輪に収まらないことはカルチャーとしていい面でもある」という説明に納得した。
AYANEも「五輪はブレイキンの幅を広げてくれた」と言いながらも「五輪があってもなくても、ブレイキンは変わらない」と前向きに話していた。姉弟ともにネガティブな言葉は一切口にしない。ストイックに取り組んできたダンスに絶対的な自信があるからだ。