女子マラソンに23歳超新星が現れた謎が判明 同好会→10か月で歴代10位、小林香菜の急すぎる成長曲線

同好会の練習は皇居ラン、登山サークルにも…
早大本庄高陸上部では全国的な実績はなし。「マラソンを楽しく走りたい」。駅伝にも興味があったが、少人数の早大陸上部では駅伝ができなかった。そこで選んだのがランニングサークル「早稲田ホノルルマラソン完走会」。
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完走を目指すだけの同好会、練習は皇居ランを週1回2周する。登山サークルにも入ってみた。友だちと楽しみながらも、自分はガチ練習。ポツンと一人、黙々とジョギングを続けた。
「一人はつらい。サボっても怒られないし、自分を律するのは大変。周りも陸上をやっていない子たちだったので大変でした。でも、ひたすら一人でジョグをするのは好き。ボーっとするのが好きなので走っていました」
2021年11月の富士山マラソンが初めての42.195キロ。「最初は楽しく走りたくて入ったけど、高校で結果を残せず心残りがあった。もっと速く走りたい」。くすぶった心が再燃。より熱を入れ、ネクストヒロイン枠で2023年の大阪国際女子マラソンに出場した。2時間29分44秒の12位。トップ選手にくらいつき、マラソン愛が膨れ上がった。
「この走り方なのにあのペースで走れるのか。本格的にやれば、もう少し高いところに着地する」と、ダイヤの原石に気づいたのは大塚製薬の河野匡監督。ただ、連絡を取ったのは小林のほう。進路を相談すると、「前橋出身で(拠点の)徳島は遠い。親御さんも心配」と最初は関東圏のチームを紹介された。それでも意志は強い。
「マラソンをやりたいです。大塚製薬じゃダメですか?」

河野監督は当時を振り返る。
「有森裕子さんも、高橋尚子さんもそう。やりたいという気持ちの子は絶対に頑張る。早大を受けるような人から『陸上に何年間か懸けたい』と言われたら、陸上界に関わる人間としては少しでも夢を叶えてあげるようなお手伝いをしてあげたいと思う」
本格的な指導を受けたことがなかった大学生。フォームもぎこちなく、「これで実業団でできるのか」と疑問符をつけられた。実業団の練習タイムにも仰天。明らかについていけなかった。「え、これ、本当に全力?」。河野監督が思わず言ったほどだ。
「でも、彼女はとにかく練習する。少しずつ走る感覚を掴んでいきました」
昨年4月の入社から1か月、長距離練習を走れる体つきに。あれよあれよと成長し、設定タイムは常に上方修正となった。急成長を支えたのは頑丈な体。河野監督は分析する。
「骨も強い。成長期にあまり専門的なトレーニングをやっていないけど、逆に言えばしっかり食べて体を作れている。練習をしても体が痛まない。体がむくんだり、疲労を感じさせたりすることがないんです。それが彼女の強さかも」
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