「マツパク厩舎ってだけで買えたんだ」 難解レースのヒントは厩舎成績? 阪神JFで気付いた2つの現象
騎手時代に牝馬のレースを得意にしていた調教師は…
このような現象は厩舎視点だけでなく、レース視点でもあると思っている。阪神JFは1991年に「阪神3歳牝馬ステークス」として、牝馬限定のG1競走になった。このレースで特定の厩舎がよく勝つなぁと思ったのが、2011年。勝ったジョワドヴィーヴルは1戦1勝だったが、管理した松田博資厩舎は2008年ブエナビスタ、2010年レーヴディソールでこのレースを制しており「マツパク厩舎ってだけで買えたんだ」と落胆した記憶がある。
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2021年にサークルオブライフが勝った時も2009年アパパネが勝っている国枝栄厩舎だもんなあという感じ。2012年ローブティサージュ、2013年レッドリヴェール、2020年ソダシの須貝尚介厩舎も3勝を挙げている。
須貝厩舎からは2戦2勝のクリノメイが出走予定。競馬新聞に印は付いていないかも知れないが、厩舎のレースに対する相性を重視すれば買える。対して「◎」が並んでいるであろうブラウンラチェットの手塚貴久厩舎。このレースには7頭が出走しているが、2着2回3着2回。馬券圏内の好走は見せているものの、1着馬が出ていないのはどうか。
ちょっと視点を変えると、騎手時代に「牝馬」が得意だった人が調教師に転身しているケース。「牝馬のミキオ」と言われた松永幹夫調教師は2017年にラッキーライラックでこのレースを勝っている。2002年ピースオブワールド、レーヴディソール、ジョワドヴィーヴルで騎手時代にこのレースで3勝を挙げた福永祐一調教師。前走デイリー杯2歳Sを勝ったランフォーヴァウは注目かも知れない。
なんて、いろいろ馬名を挙げながらも現時点で一番注目しているのは松下武士厩舎のショウナンザナドゥ。1週前追い切りの坂路での動きが超抜群。結局「調教かい!」って思われるだろうが、2019年にレシステンシアで勝っている厩舎なので、そこはクリア。ただし、1勝馬なのでまずは抽選突破が必須だ。
(井内 利彰 / Toshiaki Iuchi)