「あとは奥さんによろしく、じゃなく…」 育児をSNSで積極発信、新しいパパアスリート像の体現
女子選手も出産や育児で競技を諦めなくていい未来を「何ができるかはわからないけど…」
プロアスリートには遠征がつきもの。パフォーマンス向上には睡眠も重要だ。「僕も娘とめちゃくちゃ関わりたい。やれることはやりたいし、ちょっとでも多くの時間を一緒に過ごしたい」と願うが、難しい時もある。「オフは夜中のミルクやオムツ替えは起きたほうがやる感じだが、シーズンが始まると奥さんが『いいよ、私やるよ』と気遣ってくれる」。妻のサポートに、感謝は尽きない。
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ただ、こうした内助の功は圧倒的に女性に偏っているのが日本の現状だ。「海外では出産しても競技を続ける人が多い中で、日本はそういう環境がない。産んでからまた復帰できる環境がもっとあったらいいよね、という話は奥さんともしている。何ができるかはわからないけど、いずれ日本もそういう環境が整ったらいいなと思う」。女性選手も、出産や育児で競技を諦めなくていい未来を夢見る。
バランスキー自身も「子どもが生まれて『あとは奥さんによろしく』じゃなくて、『旦那も一緒に育てるべき』という言い方が合っているかはわからないけど、僕の場合は自然とやれることはやりたいなと思った」と選手と育児の両立を目指す。子育ての様子を積極的に発信する男性アスリートはまだまだ少ないが、「絶対に家族が大好き、子どもが大好きなパパはいっぱいいる」とも感じている。
子育てしながら活躍する女子選手が“ママアスリート”と注目される一方、子持ちの男子選手が“パパアスリート”と称される機会は少ない。「育児は女性の仕事」という考えがまだまだ根強いからだろう。そんな中、哺乳瓶や絵本を手に微笑むバランスキーのSNSでの姿は異彩を放っている。
「みんながもっと子育てに積極的になったらいいなとは思う」。そんな願いを抱きつつも、SNSはあくまで「僕がただただ好きなものをあげているだけ」と、そこに大きな意図を持たせるつもりはない。それでも、家族愛に溢れたバランスキーの投稿は、スポーツ界に新たな風を吹き込んでいるように思える。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)