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なぜ、渡邊雄太は出場機会が増えない? 米記者の言葉から考える、NBAにおける未来

真の勝負の時期は3月以降か「大事に育てているユウタにもまとまったプレー時間が」

 ここで説明があった通り、グリズリーズは3日に今季11.6得点をマークしているホリデーをシカゴ・ブルズからトレードで獲得。プレーメイカー不足のチームは、今後も様々な方法で改善の可能性を模索するはずだ。しかし、それでも浮上できなかったとすれば、シーズン後半戦でベテラン中心の現在のコアに固執する根拠は乏しくなる。

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「3月になっても勝率は5割を切り、ポストシーズンが難しくなったとすれば、話は変わってくる。その時には来季以降への準備が始まる。2ウェイ契約でNBAでプレーできるだけの日数が残っていることが条件だが、シーズン終盤は大事に育てているユウタにもまとまったプレー時間を与えることになるのではないか」

 コッブが述べるそんなシナリオ通りにことが運べば、3月以降は渡邊にとって非常に重要な時間になるかもしれない。すでにプレーオフ争いが難しくなっていた場合、そこでのゲームはやや緊張感に乏しくなる。それでも、NBAでの貴重な実戦の機会であることに変わりはない。特に渡邊はグリズリーズと2年契約を結んでいるだけに、ここで力を示しておけば間違いなく来シーズン以降にも繋がるはずだ。

「(NBAでの出場機会がなかなかないことで)焦りがないかと言われたら、正直なくはないです。ただ、焦ってもしょうがない。ここは根気よくやっていかなければいけないなと思っています」

 渡邊自身もそう述べていた通り、今はまずは我慢のとき。Gリーグ、あるいは限られたNBAでのプレー機会の中で力をつけておけば、状況は少しずつ変わっていく。継続的に大舞台で力を誇示する機会もいずれ必ず訪れる。その時までに本人が課題として挙げる「ロングジャンパーの精度向上」「ディフェンスのさらなる強化」を成し遂げておけば、NBAでの未来は自然と開けてくるはずである。

(杉浦 大介 / Daisuke Sugiura)

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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