[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

井上尚弥、美しさすら漂う9分間のシャドー ドヘニー戦へ慢心皆無、練習に滲み出た達人の境地

サンドバッグを打つ井上【写真:浜田洋平】
サンドバッグを打つ井上【写真:浜田洋平】

井上尚弥は完成していない「自分でもどこが完成かわからない」

 5月にルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちして以来の試合。「東京ドームの試合は自分にも、大橋ジムにも歴史的なもの。そこで燃え尽きないし、加速していく試合だと思う。ギアを上げたところを見てほしい」。7月にはジム内の集中合宿でフィジカルを鍛え、メキシコから招聘したパートナー4人とスパーリングを計89回重ねてきた。試合までに100回ほどになるという。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ロードワークは夜にするなど、猛暑でも直射日光を浴びないように工夫。「疲労を溜めないように」。父・真吾トレーナーも「本人の意識が高い。僕たちは周りが言うようなイメージを持っていない。ドヘニーは技術もあるし、フィジカルも強い」と強調。この1年、大橋ジムの興行に出場してきた挑戦者は、同ジムで練習する日も。大橋秀行会長は「見ているからこそ怖さがある。危険なイメージ」と繰り返した。

 オーストラリア在住のドヘニーは、アイルランド国籍を持つ37歳のサウスポー。2012年4月にデビューし、18年8月にはIBF王者・岩佐亮佑に判定勝ちした。19年4月にWBA王者ダニエル・ローマン(米国)との統一戦に敗れて王座陥落。井上―ネリ戦では不測の事態に備えたリザーブとして待機したが、出番はなく別の選手に勝利した。現在はWBO2位につけ、パンチ力と経験を兼ね備えた難敵だ。

 井上は勝てば12月に次戦を想定。年間3試合はスーパーフライ級時代の2017年以来だ。「スーパーバンタム級で4試合目。一番、フィットして来たんじゃないか。体つきも変わった気がする。筋量は増しているのかなと」。また過去最強を塗り替えたが、今も井上尚弥は完成していない。

「自分でもどこが完成かわからない。まだまだ完成していない。まだまだ進化するところを楽しみにしてほしい。ドヘニーがやるべきことはわかっています。向こうも判定で勝つつもりはないと思うし、だからこそ、そこを気を付けながらやりたい。判定決着は許されない。その中で流れをつくって仕留められるところで仕留めたい」

 12日後。また、モンスターのボクシングに熱狂する日がやってくる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集