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世界的FWも重症 膝の前十字靱帯&半月板、選手生命を左右する大怪我の予防策とは

お尻の筋肉強化で故障の予防に…固有需受容器トレーニングも効果を発揮?

「着地の衝撃や方向転換には、臀部の筋肉が必要になります。いわゆるお尻の筋肉です。プロのサッカー選手でもお尻の筋肉を効果的に使えてない選手は少なくありません。そして、女子選手の故障者で多く見受けられるのは太ももの裏、ハムストリングよりも、太ももの前を使う傾向にあることです。太ももの前の筋肉を使うと前十字靱帯にストレスがかかりやすくなります。太ももの前と裏のバランスが重要になります。ウエイトトレーニングで、スクワットなどをお尻やハムストリングを意識したフォームで行うことで、筋力と同時に、お尻の使い方も習得できます」

 臀部の筋肉の強化、そして、女性の場合は太ももの前の部分と裏の部分のバランスをいかに保つか。それが故障の予防につながるという。

「もう一つは聞きなれないかもしれませんが、固有受容器トレーニングというものです。自分の体で筋肉がどう伸びているのか、関節はどのような状況になっているのか、把握するためのトレーニングです。前十字靱帯断裂の場合、着地してから、約0.04秒で靱帯断裂しているとも言われています。つまり、着地する前の動作が重要になるのです。固有受容器とは、自分の体の姿勢や、運動がどのように行われているかを、脳に伝達するセンサーの役割を果たすものです。

 センサーが十分に働いていれば、着地前の姿勢を認知することができます。着地前から筋肉の収縮を行うなど事前準備がスムーズになり、故障のリスク回避が期待できます。靱帯が伸びた状態でセンサーは働きを高めるという報告もあります。ウォーミングアップに膝や股関節の関節を深く曲げ、靱帯などを最大限伸ばす動作も私の指導では組み込んでいます。筋肉を伸ばしている選手は多いが、靱帯まで意識して行っている人はあまりいません」

 こう解説した新盛氏は目を瞑った状態での着地などのトレーニングを事前運動に取り入れ、センサーを敏感にさせる狙いがあるという。

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新盛 淳司

芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院院長

柔道整復師、鍼灸師

新浦安しんもり整骨院入船院、新浦安しんもり整骨院今川院代表も務める。関節ニュートラル整体普及協会会員。サッカー元日本代表MF中村俊輔さんをセルティック時代から専属トレーナーとして支えるなど、トップアスリートのケアにも従事。

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