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日本人の社員選手は「傷の舐め合い」 V舞台裏で…“企業ラグビー”が燻るリーグワンで断行した改革――BL東京GMインタビュー

薫田GMが見据える、優勝したBL東京の「これから」

 最後に、優勝がチームにもたらすもの、そして「これから」のGMとしての取り組みについて聞いた。

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「まず日本のラグビー、リーグワンという観点で見ると、3シーズンで違うチームが優勝したことは価値があると思います。我々のチームにもたらされたのは、色々な意味での可能性が広がったことでしょうね。そういう意味では、今まで長く経験できなかったことが 戦略的に仕掛けられるというのは非常に大きい。後は事業面での反響の大きさですね。ここは、リーグワンが立ち上がる前と今とでは圧倒的に違う」

 事業面ではチームに大幅な変化が起きている。母体企業からの数字を除いた昨季のスポンサー、チケット、グッズなどの事業売上げ6億2400万円は、前シーズン比153%増。平均観客数も1万人を超えた(168%増)。ファンクラブ加入者1万2564人は200%近い上昇をみせた。これらの数字に、「優勝」という追い風を加えると、オフシーズンから営業、事業面でも大きなチャレンジが待ち受けている。

 秩父宮、味の素スタジアムという従来のホストスタジアムに加えて、長らく合宿地として拠点化している鹿児島、そしてチームのアイコンでもあるリーチマイケルの“第2の故郷”北海道での試合開催なども戦略的な構想として浮上する。「王者」という肩書が使える今オフ、そして新シーズンだからこそ打つべき手は少なくない。そして、GMとして「連覇」という大きな挑戦にも思いを馳せる。

「これまでと同じなんですけど、プレーオフに残る残るために何が必要かということを考えていくことです。来季は6枠になるプレーオフを戦える主力30人をどう揃えるかが一番大事なことです。ここには代表に何人引っ張られるかも影響してくる」

 若手の成長には触れたが、どのチームも遂げたことがない連覇のためには、さらなる選手層のクオリティーアップは不可避なことだ。昨季のS東京ベイ同様に、相手のマークも当然厳しくなる中で、再び常勝軍団という時代を築くことが出来るのか。チームは祝勝行事を経てオフシーズンを迎えようとする中で、敏腕GMにオフはなさそうだ。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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