「10年前は信じられなかった」 主将・富樫勇樹が豪州相手に見た景色 パリ五輪から未来へ「繋がる大会に」
「Bリーグが始まってからの日本バスケの成長は凄いものがある」
パリ五輪期間中に31歳になる富樫は、2016年のBリーグ創設前から日本バスケ界を牽引してきた。米モントロス・クリスチャン高を経て、13年にbjリーグ・秋田に入団。14年にはNBAのサマーリーグにも挑戦した。19年には日本バスケ界初の1億円プレーヤーに。しかし、代表としては歯痒い思いを抱えてきた。19年ワールドカップ(W杯)は怪我のため欠場。21年の東京五輪では1勝もできなかった。
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厚い世界の壁。しかし、昨夏のW杯でついにこじ開けた。歴史的な3勝を挙げ、48年ぶりに自力で掴んだ五輪出場権。ようやく新しい景色が見えた。「Bリーグが始まって8年、そこからの日本バスケの成長は凄いものがある。10年前は(五輪の)1か月前にこうしてテストマッチをしている状況は信じられなかった」。感慨深げに語る富樫は、さらに現在、そして未来に目を向けた。
「これが当たり前になって、今度は『メダルを獲りたい』といった高い目標になっていく。そこを目指していけるような結果を残して、これからに繋がっていくような大会にしたい」。パリでの目標はベスト8。厳しい戦いは承知の上だ。「前回の東京五輪、W杯を含め、常に代表最後のつもりでやっている」。頼れるキャプテンは、日本バスケの未来のために全てを出し尽くす覚悟だ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)