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“隠れ日本代表”も加われば「かなり強い日本に」 5度目のW杯への本音、新生ジャパンでLO転向も意欲――リーチマイケル・インタビュー

エディーHCは第2次体制で「超速ラグビー」を落とし込んでいる【写真:(C)JRFU】
エディーHCは第2次体制で「超速ラグビー」を落とし込んでいる【写真:(C)JRFU】

超速ラグビーのキーワードは「5歳児のようにプレーしろ」

“弟分”U20日本代表を宮崎に招いて11日に行われたゲーム形式のメニューで、「超速」を初めて“実戦配備”した。スピードをつけたサインプレーでのハンドリングミスも目立ち、指揮官も「アタックで何度もフェーズを重ねながら相手に重圧をかけ、モメンタム(勢い)を作れていたが、攻守の入替でのポジショニングのスピードは課題。実戦が出来たことが大きな収穫」という評価だったが、先発メンバーで出場したリーチは、超速の手応えをこう語っている。

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「(スピードの上乗せは)大変ですけれど、出来ますね。このラグビーをするためにシェイプ(攻撃の陣形)もかなり変わってきています。10日に初めてチームとしてちゃんとした練習をして、これをどんどん継続的にやっていけば、超速ラグビーが繋がっていくと思います。そのためにも、選手が考えて動くのではなく、自然にアタック出来ることが大事。それは相手にとっては予測しづらいプレーです。例えばイングランド代表のラグビーは全部予測出来るけれど、日本は試合中に選手全員が動いているようなラグビー。ギリギリのところでプレーするから当然エラーは起こるけれど、ここはもっともっと成熟出来るはず。個人のスキルをどれだけ上げていけるかも重要です」

 自分たちのプレーに速さを求めるのは、突き詰めれば相手に判断をする時間を与えないことを意味する。ゲームをカオス状態に持ち込むことで優位に立ちたい日本には、相手に余裕を持たせないことが重要な意味を持つ。同時に、日本が伝統的に目指してきた、相手の体力を消耗させる意図もある。そんな超速ラグビーを選手にイメージさせ、共有させるために、ミーティングでは指揮官からは興味深いアドバイスもあった。

「エディーは『どんどんボールを欲しがれ、どんどんボールをもらうために動け』と話しています。5歳のときを思い出してボールをくれくれというプレーをすれば、自然と超速ラグビーが出来るということです」

 世界最高峰の戦いに挑む選手たちに、5歳児のようにプレーしろというのが超速ラグビーなのだ。

「ボールが動いている時に、超速ラグビーではループを多く使っていく。そこでも、どんどんボールをもらいに行けということです。ボールを触れるところに積極的に行って、ボールを自分から欲しがるようなイメージです」

 ループの際にも、パッサーとレシーバー以外の周囲にいる選手が、ボールを貰おうと動くことで、相手防御に的を絞らせない効果を見込んでいる。5歳の子供のようなプレーを求めることで、変幻自在な攻撃スタイルをさらにバージョンアップさせようという意図が読み取れる。

 メンバーに選ばれれば5度目の挑戦となる次回オーストラリア大会。現在35歳のリーチは「W杯に出たいという欲はない。1年1年を大事にしていきたい」と慎重な言い回しをしながらも、その言葉には自信が滲む。

「まだ元気だし、練習についていけている。(ベテラン向けの)別メニューもまだないから、元気なうちは勝負したい。いまの感覚はすごくいいし、今までで一番調子いいかも知れない。JP(ジョン・プライヤー代表パフォーマンスコーディネーター)も、動きはまだまだシャープに出来ると言ってくれているので、自分でも楽しみです」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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