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大怪我で消えた盗塁王…西武・若林楽人がその後3年間で諦めたこと 「向き合うの、うまくないんです」

プロ野球で、新人選手の活躍はいつの時代も爽やかな風を吹かせる。ファンはポジション争いの行方に注目し、新たなスターに声援を送る。2021年のパ・リーグにも、そんな選手が現れた。西武にドラフト4位で入団した若林楽人外野手は、開幕早々に定位置を奪い、たった44試合で20盗塁を決める大活躍。ただそこで、怪我のため突然シーズンを終えてしまう。消えた盗塁王はあれから3年が経つ今、何を思うのか。怪我との向き合い方や、選手としての生き方を語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

若林楽人が語る怪我との向き合い方や、選手としての生き方【撮影:羽鳥慶太】
若林楽人が語る怪我との向き合い方や、選手としての生き方【撮影:羽鳥慶太】

2021年の春、パ・リーグを席巻した西武の若林楽人は今

 プロ野球で、新人選手の活躍はいつの時代も爽やかな風を吹かせる。ファンはポジション争いの行方に注目し、新たなスターに声援を送る。2021年のパ・リーグにも、そんな選手が現れた。西武にドラフト4位で入団した若林楽人外野手は、開幕早々に定位置を奪い、たった44試合で20盗塁を決める大活躍。ただそこで、怪我のため突然シーズンを終えてしまう。消えた盗塁王はあれから3年が経つ今、何を思うのか。怪我との向き合い方や、選手としての生き方を語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

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 プロ4年目のシーズン、若林は今ももがいている。開幕1軍入りを果たしたものの、4試合に出場しただけで登録抹消。「今は本当に、何も気にせずプレー自体はできています」という言葉は、以前は違ったという裏返しでもある。

「痛いとか言わないようにはしていましたけど、昨年までは実際、毎日痛くて……。ボルトが神経に触っていたらしいんですよね。プレー中に力が入らないとか、そういうのはずっとありました」

 2021年5月30日の阪神戦。「1番・中堅」で先発した若林は3回、マルテの打球を処理しようとジャンプした際に左膝が悲鳴を上げた。交代し、診断結果は前十字靭帯の損傷。すぐに手術を受けた。リーグトップの20盗塁、打率も.278を記録していたスター候補のシーズンは、突然終わった。あれから、3年が経とうとしている。この期間の経験を問うと、しばし考えた末に言葉を絞り出す。

「向き合うの、うまくないと思うんです。正直、本当にイヤになった時期もありました。ストレスで帯状疱疹になったりもしましたし。いくら説明しても、痛みは自分にしかわからないじゃないですか」

 迎えた2年目、1軍には戻ってきたが、28試合出場に終わった。走るとはっきり痛みがあったという。そして昨季も1軍出場は36試合。痛みは軽くなったが、回復が遅かった。オフには患部に残っていたボルトを除去する手術を受けた。今になってみれば「怪我して、復帰するまでを甘く見ていました」と言える。

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