「初球から、ブリッと振ってほしい」 ロッテ吉井理人監督、50年ぶりの勝率1位へ“大化け”期待の大砲
内野の大シャッフルには見えない「隠れテーマ」がある
「選手のコンディションを考えると、中村は去年打撃が今ひとつだったのは守備の負担もあったのではと考えました。より負担の少ない三塁の方がいいのかなと。また、藤岡は遊撃だと1年間出るには体力が少し足りなかった。二塁がキツくないわけではないんですが、彼は1年間出てほしい選手なので」。さらに、隠れたテーマがある。「なんとか安田の尻に、火をつけたいと思ってね」。
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ドラフト1位で入団して7年目を迎える安田尚憲は昨季、規定打席に達したものの打率.238、9本塁打。チームの中心打者になってほしいという吉井監督の期待に、なかなか応えられずにいる。
「心配性なのか、積極的に振りにいけないことがあるんですよね。初球が一番のチャンス。だったら、結果はわからないけど初球からブリッと振って欲しいと思っています」
同じことが6年目の山口航輝にも言えるという。昨季は打率.235、14本塁打。2022年の成績をわずかに下回った。「2人ともスピードが売りではないし、長打力を見せてほしいタイプ。そういう(初球から思い切って振る)スイングをしてくる打者だと思われると、カウントが悪くなってからも最後に甘い球が来たりするので」と、投手目線からの分析もしてみせる。
「もっとバットを振って、技術的にはいかに強くぶつけられるか。それでもっと成績を伸ばせると思う。二塁打でいいんです。本塁打じゃなくても」と、課題に挙げた長打力不足を解消するキーマンとして期待している。そんな時に指揮官の頭をよぎるのは、現役時代に“いてまえ打線”が売りだった近鉄でプレーした日々だ。