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早田ひなを世界クラスにした危機感 過密日程で体調不良も…「心」も強くした2年間の代表選考

プレーオフ女子決勝で優勝を決め、紙テープが舞う中で喜ぶ早田【写真:徳原隆元】
プレーオフ女子決勝で優勝を決め、紙テープが舞う中で喜ぶ早田【写真:徳原隆元】

平野、伊藤に張本も…厳しい選考レースを回顧「その刺激があるから…」

 技術を磨き、体をつくり上げたことはもちろんだが、心が強くなった要因とは。本人は「う~ん、何ですかね……」と迷いつつ、代表落選した2021年東京五輪以降の厳しい選考レースを乗り越えたことを挙げた。

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「この2年間の選考過程では試合数がめちゃくちゃ多い。前半は1回優勝してもポイントにもならない。優勝しても次に切り替えないと置いていかれるのがこの2年間。それが自分を強くした。過密日程で体調不良になったり、世界ランクを上げないといけないところで上げられないこともあった。

 メリット、デメリットがあるけど、自分にとってこの2年間は試合が多いことで試す場所がより多くなったことはよかった。あとは日本全体のレベルが高いこと。自分が優勝してもウカウカできない。でも、負けた時は受け入れないと前に進めない。今日は平野選手に勝てたけど、次は負けるかもしれない。勝負はそういう世界。それを受け入れてどれだけ次に頑張れるかだと思う」

 国内のライバルは平野、伊藤美誠の同学年だけではない。木原美悠、長崎美柚、さらに15歳の張本美和。次々と台頭する選手たちに危機感をもらった。「それは間違いなくプラス。その刺激があるからこそ、今のままじゃダメだと思える」。この日は2624人の観衆が世界トップクラスの卓球に喝采。「パリ五輪で金メダルを獲るために、より海外に目を向けたい」と話す瞳には、No.1選手としての責任感を滲ませた。

「切磋琢磨して、より日本全体のレベルを上げて行くのが私たちにできること。それで2600人の方に『来年も見に行きたい』と思ってもらうことが大事。でも、私の本業、集中しないといけないのは勝つこと。五輪までに勝たないと注目は集まらないので、しっかり勝っていきたい」

 初の五輪まで残り4か月。他人のために戦えるエースが、ラケットに日本の期待を込める。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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