早田ひなを世界クラスにした危機感 過密日程で体調不良も…「心」も強くした2年間の代表選考
卓球・ノジマTリーグの年間優勝を争うプレーオフ女子決勝が24日、東京・代々木第二体育館で行われ、今季レギュラーシーズン2位の日本生命レッドエルフが同1位の昨年女王・木下アビエル神奈川を3-0で下した。第3試合では早田ひなが同じパリ五輪代表の平野美宇とのエース対決を3-1(11-8、13-11、3-11、11-6)で制し、2季ぶり最多5度目の優勝。土壇場で勝ち切る心の強さを得た理由として、国内の厳しい代表選考を明かした。観衆は2624人。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
ノジマTリーグプレーオフ
卓球・ノジマTリーグの年間優勝を争うプレーオフ女子決勝が24日、東京・代々木第二体育館で行われ、今季レギュラーシーズン2位の日本生命レッドエルフが同1位の昨年女王・木下アビエル神奈川を3-0で下した。第3試合では早田ひなが同じパリ五輪代表の平野美宇とのエース対決を3-1(11-8、13-11、3-11、11-6)で制し、2季ぶり最多5度目の優勝。土壇場で勝ち切る心の強さを得た理由として、国内の厳しい代表選考を明かした。観衆は2624人。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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渾身のドライブには魂が乗っていた。2勝0敗で迎えた第3試合。「自分で締めてやるぞ」。早田は強気で平野を迎え撃った。第1ゲーム(G)最初の得点を奪って絶叫。4-3から強烈なフォアハンドを炸裂させた。4連続得点で11-8。第2Gも8-10と先にゲームポイントを握られながら強打連発で追いついた。13-11で声を張り上げる。第4Gは3-5の劣勢。「追いつかれてもおかしくない」。最悪の展開もよぎったが、ここで耳を澄ました。
「ふっと力が抜けた時、チームの応援が凄く聞こえた。自分だけで戦っているわけじゃない。応援に恩返ししたい」
気迫の6連続得点で逆転した。2季ぶりの王座奪還を果たし、金の紙テープにまみれながらベンチにガッツポーズ。日本人トップの世界ランク6位を誇る23歳が、同学年の五輪代表対決を制し、土壇場の強さを証明した。「自分ではなく、他の人のために戦えたことが勝因」。10日のシンガポールスマッシュ初戦で敗れた平野に対し、「負けたことは忘れて今日の自分でどう戦うか」と集中した。
準決勝でも2勝でエースの役割を全う。団体戦のここ一番で強さを発揮した。チームには練習態度、競技に繋がる生活の仕方を見せ、学びを与えた。かつて日本代表も率いた村上恭和総監督は、世界クラスの実力に上り詰めた姿をこう評する。
「早田がいつも『自分は挑戦者になった時に勝てる』と言います。戦う時の心の持ち方が凄く成長した。『自分は強いんだ』『優位だ』とか思っていない。その状況を自分でつくることができる。スポーツにおいて重要なこと。彼女は特別な心の持ち方をマスターしている」