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天国に届けた2時間41分のバレーボール 藤井直伸さん命日、「身を切る思い」体現した東レの熱戦【Vリーグ男子】

バレーボールのV1リーグ男子レギュラーラウンドが10日、東京・アリーナ立川立飛などで行われ、今季6位の東レアローズが同7位の東京グレートベアーズに2-3(20-25、25-21、26-28、25-20、8-15)で敗れ、ファイナルステージ(FS)進出決定は持ち越しとなった。1年前に他界したセッター・藤井直伸さんの命日に2時間41分の熱戦。敵地で勝利を飾れなかったが、故人を思わせる懸命なプレーを演じた。

試合前に亡き藤井直伸さんのユニホームを手に黙祷した東レ【写真:山野邊佳穂】
試合前に亡き藤井直伸さんのユニホームを手に黙祷した東レ【写真:山野邊佳穂】

バレーボールV1リーグ男子

 バレーボールのV1リーグ男子レギュラーラウンドが10日、東京・アリーナ立川立飛などで行われ、今季6位の東レアローズが同7位の東京グレートベアーズに2-3(20-25、25-21、26-28、25-20、8-15)で敗れ、ファイナルステージ(FS)進出決定は持ち越しとなった。1年前に他界したセッター・藤井直伸さんの命日に2時間41分の熱戦。敵地で勝利を飾れなかったが、故人を思わせる懸命なプレーを演じた。

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 背番号21のユニホームを掲げ、黙祷した。敵味方関係なく、会場全員で祈りを捧げたバレー界の特別な日。熱戦はフルセットにもつれ込んだ。東レは高橋健太郎が相手エース・柳田将洋をブロック。直後に4連続失点したが、諦めない。1点にこだわり、ボールに飛びついた。「常にともに戦っている」。亡き先輩の存在を胸に奮闘。敗れはしたが、両チームで2704人の観客にバレーの魅力を届けた。

 Bクイックで攻撃を牽引し、日本代表でも輝きを放った藤井さん。ムードメーカーとしても東レを照らす存在だった。メディアの前でよく見せていたのは“試合を楽しむ”という姿。しかし、背中を見てきた高橋は「試合中はあまり聞いたことがない。勝負事なので身を切る思いでやっている」と当時を思い返す。コート内でこだわった勝利。そんな執念はこの日の東レでも随所に表れた。

 一緒に戦ってきた選手たちは胸を張る。東レの富田将馬は「負けてしまったけど、最高の環境で最高の試合を見せられた」と感謝。ともに日の丸を背負い、この日13得点で勝利に導いた柳田も「僕らも思いが強い。今日という日に東レさんと試合ができることに運命を感じるし、生きてバレーボールができている自分たちとしては最高の試合」と故人に思いを馳せた。

 6位の東レは次週、VC長野との2試合(静岡・香陵アリーナ)が今季レギュラーラウンド最終戦。16日は藤井さんの追悼試合だ。上位6チームによるFS進出へ。「まだまだバレーボールができる喜びや幸せを噛み締めながら、全力でファイナル6を決めたい」と高橋。5年ぶりの歓喜を天国にも響かせる。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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