NBA級の「圧倒的ホーム感」 世界一DJに“炎”の特殊効果…バスケ群馬が新アリーナで挑む演出改革
バスケットボールBリーグの群馬クレインサンダーズは、2023年に新本拠地「オープンハウスアリーナ太田(通称:オプアリ)」へ移転した。新たなホームコートは、巨大なセンタービジョンや最新鋭の音響システムが導入されており、ヒップホップのナンバーが流れるなか、試合展開に合わせてレーザーや炎といった特殊効果で盛り立てるなど、高揚感に包まれた空間を演出している。まもなくオープンから1年の節目を迎えるなか、群馬でアリーナの演出など興行の統括も行う、吉田真太郎取締役ゼネラルマネージャー(GM)に、現状と今後の展望について聞いた。
演出を統括する吉田真太郎取締役GM、目指すのは「非日常感と没入感」
バスケットボールBリーグの群馬クレインサンダーズは、2023年に新本拠地「オープンハウスアリーナ太田(通称:オプアリ)」へ移転した。新たなホームコートは、巨大なセンタービジョンや最新鋭の音響システムが導入されており、ヒップホップのナンバーが流れるなか、試合展開に合わせてレーザーや炎といった特殊効果で盛り立てるなど、高揚感に包まれた空間を演出している。まもなくオープンから1年の節目を迎えるなか、群馬でアリーナの演出など興行の統括も行う、吉田真太郎取締役ゼネラルマネージャー(GM)に、現状と今後の展望について聞いた。
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まず、群馬がクラブとして目指すのは、これまでとは全く異なる尺度でのアリーナの展開であり、吉田取締役によれば「非日常感と没入感」を磨き上げることだという。そうしたなかで、今季のホームゲームにおける「演出改革」の1つとして、まず「音」における部分を推し進めることとなった。
「今シーズンはDJブースを設けていて、世界大会を制したDJ IZOHさんにお願いをしています。僕らの主体はバスケットボールではあるのですが、エンターテインメントを目指すことが重要だと思っていますし、お客様の満足度も高められると考えています。まずは『どうやって世界観を作るか』となった場合、今までのBリーグの延長線上に置いたままではできない部分があると感じました。バスケットボールの試合と、演出を含めたトータルの形で『エンタメ』にしなくてはいけない。『我々の新しい世界観を作る』ことが、何よりのスタートです」
群馬という土地柄を考えると、例えば日本における伝説的なロックバンドであるBOOWYの「聖地」とも評される高崎市の存在もあり、音楽というフックは馴染む部分はある。だが、吉田取締役はそういったバックボーンを用いて組み上げるのではなく、「0から1を作る」ことにこだわる。
「日本のエンタメに携わっていただいている方による、スペシャルチームを作ろう、という部分を重視して、バスケットに限らず、幅広い世界から集まっていただいて、例えばレーザーや炎などの『特効』と呼ばれる人たちや、照明や音楽においても、コンサートなどで実績のある人たちに来ていただいています。今までの日本のバスケットボールの世界ではなかった空気感を、体現しています」
サンダーズというチームを物差しに考えた場合、日本を代表するシューターであり、“お祭り男”としても知られる辻直人の加入や、度肝を抜くようなダンクを見せるコー・フリッピン、“ファンタジスタ”並里成のプレーが会場を沸かせていく。また、トレイ・ジョーンズやケーレブ・ターズースキーなど、外国籍選手もダイナミックなプレーを次々に織り交ぜてくる。「彼らもめちゃくちゃテンションが上がっている」と吉田取締役は感じているようで、選手に対する相乗効果についてはこう持論を述べる。
「音楽もそうですし、演出もそうですし、非日常を楽しみに、多くのお客さんに来ていただいています。そういった『圧倒的なホーム感』というのは、選手たちにも勇気を与えているところはあると思います。NBAやヨーロッパを経験してきた選手たちも『(雰囲気が)NBAだよね』と、オプアリを誇りに思ってくれています。音楽好きの選手なんかは、アップの時点から気持ちを高めていますからね」