那須川天心が叫ぶ「闘うことの素晴らしさ」 1500万円超の寄付、施設の児童招待…初KOに秘めた姿
寄付の過程で実感「そのために知名度がある。有名で良かった」
無数に浴びるメッセージの中で光るものがあった。「お年玉をぜんぶ寄付しました」。名前も知らないちびっ子からだった。
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「そのために知名度ってあると思ってる。久しぶりに思いましたよね、有名で良かったなって」
キックボクシング時代を過ごした「TEPPEN GYM」に行けば、子どもたちを楽しく、熱く指導。今回の試合には児童養護施設から40人を招待した。「天心ファイトー!」。試合中、少年たちの声が四方八方から響いた。
「日本が大変な時、格闘技って日常に必要かどうか考えると、いらないと思うんですよ。でも、闘うことの力は大きいと思う。だから僕だけじゃなくて、みんなで興行を盛り上げて闘って、闘うことの素晴らしさを皆さんに伝えていきたい。
試合を見て『行動しよう』『何かやってみようぜ』と言ってもらえるように。それが格闘技じゃなくてもいい。毎日、みんな何かしらと闘っていると思う。僕の闘っている姿を見て、そのきっかけになってくれればいいなと思います」
この言葉を計量前日、減量最終盤でさらりと言えるのだから凄い。日頃から考えを巡らしているのだろう。何事も自分の言葉で発信し、人にも、自分にも嘘をつかないよう努力してきた。
主戦階級を決めかねていたが、今後はタレント豊富なバンタム級への参戦を宣言。ランカー撃破で世界ランク入りも確実だ。「やるなら誰とでもやるという感覚。しっかりと世界を狙っていくので、皆さん待っていてください」。じっくりと試合を重ね、頂きを目指す。
「格闘家なので、闘うことで生き場を見出すしかない。みんなにパワーを与えるだけじゃなく、互いにもらってね。まだ進化の途中。今後も闘い続けるんで」
那須川天心、25歳。若々しく、ハツラツと、ド派手に人生を闘っていく。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)