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那須川天心が叫ぶ「闘うことの素晴らしさ」 1500万円超の寄付、施設の児童招待…初KOに秘めた姿

試合後会見で笑顔の那須川【写真:荒川祐史】
試合後会見で笑顔の那須川【写真:荒川祐史】

被災地に1500万円超の寄付「僕のモットー。大変な人に手を差し伸べられる人にならないと」

 2戦目は左手を骨折。でも、停滞はしない。「お告げだと思った。ステップの練習をしろと言われているんだな」。生来のポジティブ人間。2か月ほど拳を打てなかったが、やれることに全力で向き合った。「嫌ってくらい走った」。最初はきつかったスパーリングでも簡単に息切れしない。怪我が癒えると距離の詰め方、パンチのまとめ方を反復。好戦的なスタイルに変貌した。

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「思うようにいかないことの方が多いけど、それすら楽しめている」

 今度こそKOがほしい3戦目。「正義VS正義」をテーマに掲げた。

「凄くいろんなことを考えた時、やっぱり今、世の中で争いが多いじゃないですか。(ネット上で)僕もめちゃくちゃ言われる。その人たちがなぜそれを言うのか。やっぱり彼らは彼らなりの正義なんですよね。誹謗中傷でも『良い』『悪い』を言っている奴ら。(誹謗中傷と表現すると)悪く見えるかもしれないけど、彼らなりの正義をぶつけてきているわけですよ。

 たぶん、世の中みんなそういうものと闘っているんですよね。だから、その『正義VS正義』の闘い。僕の持っている思想、信念と、向こうの思っているもののぶつかり合いだと思う。だから、正しいと思うことをずっと貫き通していかないといけない」

 15歳でプロ格闘家デビュー。知名度が上がれば上がるほど、批判的な声も多く届いた。

「僕は最強になりたい。格闘技歴は20年、5歳からずっとそれを目指している。それだけを目標にしていると周りの声は聞こえなくなる」

 信じるのは、目の前にいるチームの肉声。そして、どこまでも前向きな人間は、世のために知名度を利用した。

 能登半島地震の被災者に個人で500万円、帝拳ジムらと共同で1000万円の計1500万円の寄付を表明。興行前には大阪市内で自身のグッズを販売する期間限定ショップを開設し、売り上げと店で集まった募金の全額寄付も明かした。

「僕のモットーというか、困っている人、大変な人に手を差し伸べられる人にならないといけないとずっと思っている。そういう時に口だけではなく、しっかりできるのが大事。だからそういう行動になった。みんなが『有名な人がやっているんだ』と少しでも思ってくれたら。派生して良い連鎖になるのが嬉しい。僕はそのきっかけに過ぎないと思う」

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