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桐生祥秀、織田記念で9秒台の期待大 専門家指摘、「風」と「宿敵欠場」が記録後押し

陸上の第51回「織田幹雄記念国際競技大会」が29日、エディオンスタジアム広島で行われる。注目は男子100メートルに出場する桐生祥秀(東洋大)だ。自己ベスト10秒01を誇る21歳には、日本人初の9秒台の期待がかけられているが、専門家は「今大会で出る可能性はかなりある」と分析。その理由には、強力なライバルの欠場が好記録を後押しするという。

29日織田記念で夢の9秒台へ、専門家が「可能性はかなりある」と期待する理由

 陸上の第51回「織田幹雄記念国際競技大会」が29日、エディオンスタジアム広島で行われる。注目は男子100メートルに出場する桐生祥秀(東洋大)だ。自己ベスト10秒01を誇る21歳には、日本人初の9秒台の期待がかけられているが、専門家は「今大会で出る可能性はかなりある」と分析。その理由には、強力なライバルの欠場が好記録を後押しするという。

 そもそも、織田記念といえば、毎年、好記録が生まれることで知られる。桐生自身が高3当時に日本歴代2位で国内最高となる10秒01を叩き出したのも、この大会である。織田記念でタイムが出やすい要因は何なのか。アテネ五輪の4×400mメートルリレー日本代表の伊藤友広氏は、レースが行われるエディオンスタジアム広島の「風」の特性を挙げる。

「追い風がタイムが出やすいというのが条件の一つ。この競技場は、もともとホームストレートに追い風がよく吹く立地、形状というのが大きい。桐生君が記録を出す前から、いい記録がたくさん出ていたし、生涯ベストを出した選手が何人もいます」

 一方、「トラックの素材」について指摘したのは、200メートルハードルアジア最高記録保持者の秋本真吾氏だ。同競技場はタータンを使用しているが、固くて反発力が高く、「高速タータン」と呼ばれている。その差が大きいという。

「タータンもいろんな種類がある。昔は大阪の長居陸上競技場が特別、固い素材を使っていた。それが世界基準でNGになり、07年に張り替えたけど、その前の大阪グランプリはとんでもない記録がどんどん出ていた。400メートルハードルの選手に聞くと、ゴールした自分の感覚より実際のタイムが1秒速かったと言っていた。選手が『えっ』と驚くくらい。

 織田も近いものがある。例えば、ボルトが2009年に9秒58の世界記録を出したベルリンはブルートラックで記録が出ない低反発のトラックだったのと、風も+0.9mというのを考えると例年の織田記念の条件が揃えば9秒4台も出ていたかもしれないくらい。そのくらいの差はあるんじゃないかと思います」

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