[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「JAPANESE ONLY」事件からアジア制覇へ 李忠成と浦和レッズ、反感が愛情に変わった激動の5年

過去に戻りたいとは「1ミリも思いません」

 現在進行中のシンガポール・カップで、現役生活が終焉を迎える。ただし激動の日々を振り返る李の口調には、一点の曇りもない。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

「いつも瞬間ごとに右へ行くのか、左なのかの判断を繰り返して、ここまで来られたんです。過去に戻りたいとは1ミリも思いません」

 年が明ければ、帰国して日本全国で1年間限定のサッカー教室を行う。

「海外の友だちも増えたし、今までサッカーしかやってこなかったから、あとは自由な時間を作って世界一周でもしようかな」

 本格的にセカンドキャリアを歩み出すのは、長めのボーナス休暇を終えてからになりそうである。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

1 2 3

李 忠成

サッカー元日本代表 
1985年12月19日生まれ、東京都出身。在日韓国人4世として生まれ、父の影響を受けて4歳でサッカーを始める。FC東京U-18から2004年にトップ昇格。翌年に柏へ完全移籍すると、3年目の07年2月に日本国籍を取得した。同年のJ1リーグで30試合10得点、U-22日本代表に選出され、翌08年に北京五輪に出場した。09年夏にサンフレッチェ広島へ完全移籍。10年のリーグ終盤戦で12試合11得点とゴールを量産すると、11年1月のアジアカップ日本代表に選出され、オーストラリアとの決勝で伝説のボレーシュートを決めて優勝に導いた。12年1月にサウサンプトンへ移籍。負傷の影響もあり13年限りで欧州挑戦に終止符を打つと、14年からは浦和レッズで5シーズンにわたってプレーし、17年のAFCチャンピオンズリーグなどのタイトル獲得に貢献した。横浜F・マリノス、京都サンガF.C.を経て22年からアルビレックス新潟シンガポールに在籍。今年9月14日に今季限りでの現役引退を発表した。
[公式X]https://twitter.com/Tadanari_Lee
[公式Instagram]https://www.instagram.com/tadanarilee_official/
[公式YouTube]https://www.youtube.com/channel/UCF2DXlwL-QsVn0CwR9uDNSg

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集