「アマボクサーはなかなか取り上げられない」 パリ五輪で原田周大が覆したい“無名”の歯がゆさ
パリ五輪で届けたい姿「小さい子に『アマボクシングをしたい』と言われるように」
世界一への想いが募ると同時に、日本のアマボクシングの地位向上を目標に掲げている。
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高校2年の時、プロとのスパーリングで大きな差を感じなかった。「パンチを当てることができるけど、アマチュアは全国で上位に入ってもなかなか取り上げられないし、知名度も全然ない。なんか歯がゆいなと」。今の自分もまだ無名に近い存在。五輪に行けば注目度が変わる。「じゃあ、僕が出てアマチュアボクシングの地位を上げたい」。競技環境をより良くするためにも五輪に出たかった。
憧れのシーンは入江聖奈の東京五輪金メダルともう一つ。2021年世界選手権、先輩の岡澤と坪井智也が同じ日に日本人初優勝を成し遂げた瞬間だ。「あの雄叫びを上げているところがカッコいい」。YouTubeの生配信にかじりつき、涙を流して感動した。「みんなに見てもらえる場で勝って、僕がもらったように感動してもらいたい」。ボクサーとしての将来像は「小さい子に憧れられる、カッコいい人」だ。
「僕はキャラクター的にあまりカッコいいと言われないんです(笑)。大谷翔平選手は人としてもカッコいいじゃないですか。そういう人になりたいですね。パリ五輪は日本の方々に僕を見てもらって、小さい子に『お母さん、アマチュアボクシングをしたい』と言われるように。親御さんにも『これだったら是非やりなよ』と勧めてもらえるようなスポーツになるように頑張りたい」
何度倒されても、また立ち上がればいい。五輪王者の肩書きを手にし、最高の輝きを放つ。
(終わり)
■原田周大/Shudai Harada
2001年10月2日、福岡・北九州市生まれ。22歳。中学1年でボクシングを始め、福岡・豊国学園高で国体準優勝。21年にバンタム級で全日本選手権初優勝。21年U-22アジア選手権は準優勝。22年はフェザー級で出場した全日本選手権で2大会連続優勝。23年5月の世界選手権は1回戦負けしたが、10月のアジア大会準優勝でパリ五輪代表に内定。
〇…全日本選手権が21日から6日間、東京・墨田区総合体育館で行われる。24年パリ五輪の世界予選トーナメント日本代表最終選考会を兼ねた大会。原田は出場しないが、すでに同代表に内定した男子ライトミドル級・岡澤セオンとともに中継のゲスト解説を務める。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)