引退発表の李忠成が描く日本サッカーへの恩返し “1年限定”で全国行脚「プロの物差しを伝えたい」
這い上がったストライカー「どんな選手でも可能性はある」
現役続行の意欲を、責任感や恩返しが凌駕し、年内で勝利を追い求める戦場から去ることにした。
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「満足度120%」の現役生活だったと言い切る。FC東京のアカデミーから高卒のタイミングでトップ昇格を果たし、日本代表でも活躍して、とりわけ浦和レッズ時代には数々のタイトルを手にした。一見典型的なエリートに映るが、実は芽が出るまでには何度も蹉跌を味わってきた。
「FC東京でのプロ1年目には、(事実上)1度サッカーを辞めてますからね。こんなにレベルが違うんだ、と痛感したし、作り笑いをしながらみんなのパシリみたいなことをやっていたんです。そんなヤツが日本代表になり、イングランドへも行って、(12月に誕生日を迎え)38歳までプレーができた。だからどんな選手でも可能性はある。みんな諦めないで欲しいですね」
19歳の崖っぷちから、満足度120%への大逆転――。次回からは、李忠成の激動の現役生活を、自身が紡ぎ出す言葉で振り返っていく。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)