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ラグビー日本、「世界TOP12か国」新大会に参戦か W杯の裏で動き始めた“3つの改革”とその思惑

「未確定の2か国」は日本とフィジーが最右翼

 そんな状態でGOサインが出た大会だが、これまでの報道でも「ザ・ネイションズ・チャンピオンシップ」という仮称が数多く使われてきたので、今回は仮に「TNC」という表記にしておきたい。

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 概要では、WRおよびヨーロッパの6か国対抗、南半球の4協会で構成されるSANZAAR各組織により開催、運営され、26年から隔年で実施される。試合開催期間は現行の代表戦と同じ7月と11月になる。詳細は未定の部分もあるが、南北半球に分かれての対戦がベースとなり、最終的には南北を跨いだ決勝トーナメントが行われることになる。トップ12か国に準じる12か国による2部大会も開催予定で、30年からは上下グループでの入れ替えも実施されるという。

 発表時点で決まっているTNC参加国は下記の通りだ。

北半球:イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランス、イタリア
南半球:ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、未確定の2か国

 概ね現行の6か国対抗、ラグビーチャンピオンシップ参加国で構成されているのだが、南半球ラウンドの残り2つの参入国に日本とフィジーが最右翼と考えられている。日本協会の岩渕健輔専務理事も意欲的だ。

「26年以降のシックスネイションズとSANZAAR、そして他の2チームが参加する国際大会の新しい枠組みは、当協会にとっても世界のトップチームと競い合う大きなチャンスとなり、日本もそこへの参画に名乗りを上げていきます」

 発表当日にパリ市内で話を聞いた時の穏やかな様相からは、「意欲」を飛び越えて「自信」を感じさせた。日本協会は、今夏にニュージーランド協会、オーストラリア協会と立て続けにパートナーシップ提携を結んでいる。これは代表戦に止まらず、ユースレベルやクラブチームの交流なども踏まえたものだが、今回のTNCの実施も先読みした日本協会の戦略の一環だろう。日本の参入は発表されなかったが、決定は時間の問題か、もしくは主催者側から指定された特定の大会の成績で決まることになるだろう。

 参加が決まれば、この大会が日本にもたらす恩恵は大きい。

 26年の開幕はW杯1年前という直前の大会にはなるが、今夏のW杯プレマッチを振り返っても、強豪国との定期的な対戦、大会を持たない日本にとっては貴重な強化試合になる。対戦相手は、今回決勝を戦うニュージーランド、南アフリカにベスト4のアルゼンチン、そしてエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の下で次回W杯で開催国優勝を狙うオーストラリアと、胸を借りるのには十分過ぎる強豪揃いだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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