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ラグビー日本、「世界TOP12か国」新大会に参戦か W杯の裏で動き始めた“3つの改革”とその思惑

ワールドカップ(W杯)フランス大会決勝を前にした24日に、統括団体のワールドラグビー(WR)が3つの大きな決定を発表した。1つは北南半球の強豪12か国(地域)が参加するトーナメントを2026年から実施すること。次回27年オーストラリア大会の出場枠を20から24に拡大すること。そして最後の1つは、日本も参加するパシフィックネーションズカップ(PNC)をリニューアルして24年から実施するというものだ。新トーナメントへの日本の参入はまだ決定していないが、確定的との報道もある。世界のラグビーの大きな変革が、W杯8強突破という目標を果たせず、新体制で次回大会へ挑む日本にどのような恩恵をもたらすのか。激動の時代を迎えようとしている国際ラグビーの中での日本のあるべき姿を考える。(取材・文=吉田 宏)

2026年に創設される世界の強豪12か国による新大会。日本が参戦できればW杯で戦ったアルゼンチンなどの列強と定期的に対戦できる【写真:イワモトアキト】
2026年に創設される世界の強豪12か国による新大会。日本が参戦できればW杯で戦ったアルゼンチンなどの列強と定期的に対戦できる【写真:イワモトアキト】

ワールドラグビーが発表した3つの大きな決定

 ワールドカップ(W杯)フランス大会決勝を前にした24日に、統括団体のワールドラグビー(WR)が3つの大きな決定を発表した。1つは北南半球の強豪12か国(地域)が参加するトーナメントを2026年から実施すること。次回27年オーストラリア大会の出場枠を20から24に拡大すること。そして最後の1つは、日本も参加するパシフィックネーションズカップ(PNC)をリニューアルして24年から実施するというものだ。新トーナメントへの日本の参入はまだ決定していないが、確定的との報道もある。世界のラグビーの大きな変革が、W杯8強突破という目標を果たせず、新体制で次回大会へ挑む日本にどのような恩恵をもたらすのか。激動の時代を迎えようとしている国際ラグビーの中での日本のあるべき姿を考える。(取材・文=吉田 宏)

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 WRの発表を受けて、ビル・ボーモント会長はこうスピーチをした。

「フランス大会が始まる時、不確実な未来を抱えた現状維持のままフランスを去りたくないと申し上げたが、今日は団結の集大成になります。ラグビーにとって一体感溢れる最高のお祝いであるこの大会が終わると、プロ化して以来最も意義のある集大成になります。ラグビーの新しい時代が始まろうとしています。少数ではなく、多くの者を支援する時代。そしてラグビーの伝統および自ら課した境界線を越えた発展にエネルギーを大いに注入する時代が始まろうとしています」

“新しい時代”と、少し大袈裟にも感じる言葉を使ったが、冒頭に紹介した3つの変革の前提として決議されたのが、26年から男女ラグビーの国際カレンダーが導入されることだ。代表の活動期間を踏まえて、国内リーグも各国が足並みを揃えたスケジューリングを導入することで、従来以上に選手の代表への参加、活動をスムーズにできることになる。

 国際的なゲームのために、国内リーグもコントロールされることには議論もありそうだが、テストマッチの活性化という点ではメリットはあるだろう。より効果的に試合を組み、代表戦期間を強化に生かすことが期待される。

 ファンが最も注目するのは、26年から実施される国際大会だろう。実は、この構想自体は15年大会時点でも数々の報道がなされ、ファンの間では既定路線とも見られていたものだ。

 日本代表の南アフリカからの金星も、議論を活性化させた一因だった。浮上しては消える報道の中で、ようやくWRが正式に承認したのが今回の発表だったが、未だに参加国が最終確定していないなどW杯期間にどうしてもビッグニュースを発表したかった思惑も感じさせる。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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