バスケ日本代表で「一歩踏み出せた」 W杯直前に落選、須田侑太郎がホーバス監督に感謝する理由
男子プロバスケットボールのBリーグが8シーズン目の開幕を迎えた。この夏のワールドカップ(W杯)で日本代表が歴史を切り開く躍動を見せ、出場権をつかんだ来年のパリ五輪も選手たちは見据える。トム・ホーバス日本代表ヘッドコーチ(HC)に見出された遅咲きのシューター、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D)の須田侑太郎(31歳)は、W杯日本代表の選考で大会直前に外れた。大きな喪失感を味わう悔しい経験だったが、期待された3ポイントシュートに「振り切った」代表活動で、成長できたと感じている。(取材・文=松本 行弘)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・須田侑太郎インタビュー後編
男子プロバスケットボールのBリーグが8シーズン目の開幕を迎えた。この夏のワールドカップ(W杯)で日本代表が歴史を切り開く躍動を見せ、出場権をつかんだ来年のパリ五輪も選手たちは見据える。トム・ホーバス日本代表ヘッドコーチ(HC)に見出された遅咲きのシューター、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D)の須田侑太郎(31歳)は、W杯日本代表の選考で大会直前に外れた。大きな喪失感を味わう悔しい経験だったが、期待された3ポイントシュートに「振り切った」代表活動で、成長できたと感じている。(取材・文=松本 行弘)
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須田は今シーズン、チームのキャプテンを務める。名古屋Dは昨シーズン、西地区3位でチャンピオンシップの準々決勝敗退。最後は故障者続出で終わった。その後、自ら手を挙げた。
「みんなと一緒にチームを引っ張っていて、いい手応えがあった。苦しい時、その感覚があった。簡単にできることではないですけど、それをもっと強固なものにしてチームを良くしていきたい。リーダーシップは今後の自分にとって必要な能力。自分へのチャレンジ、自分にプレッシャーをかける意味もあって、やらせてください、と話をしました」
名古屋Dに移籍加入して3季目。リンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)、琉球ゴールデンキングス、アルバルク東京と渡り歩いてきたプロ生活で、キャプテンになるのは初めてだ。「リーダーシップをとるタイプではなかったけど、一歩踏み出せるきっかけだったかもしれない」と語るのは、ホーバスHCの下での日本代表の経験だ。
2021年9月に就任したホーバスHCによって、29歳で初めて日本代表に招集された。「最初は戸惑った」と振り返る。選手の「役割」を絞って明確にして指示するHCから「須田のスペシャルは3ポイント(シュート)」と言われたからだ。
「自分がシューターという意識がなかったので。キャッチアンドシュートとか3ポイントは好きだったし、実際、試合での成功率も(試投の)本数こそ少ないけど40%を超えるシーズンもあった。苦手意識はなかったけど、トムに言われるまでは、そこまで『振り切る』考え方はなかった。ディフェンスとか、(ゴールに近いエリアに攻め込む)ペイントアタックとか、いろんなことをやる、なんでもできるのが優秀な選手だと考えて目指していた」