「日本人としてどう思う?」 選手を怒らせた過去も…8強目前ラグビー日本・ジョセフHCの変化
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に出場中の日本代表は2日、ベースキャンプ地のトゥールーズで練習を公開した。8日のアルゼンチンとの1次リーグ最終戦(ナント)に勝てば、史上初となる2大会連続の決勝トーナメント(T)進出。スクラム担当の長谷川慎コーチは、就任8年になるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の指導スタイルの変化を明かした。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に出場中の日本代表は2日、ベースキャンプ地のトゥールーズで練習を公開した。8日のアルゼンチンとの1次リーグ最終戦(ナント)に勝てば、史上初となる2大会連続の決勝トーナメント(T)進出。スクラム担当の長谷川慎コーチは、就任8年になるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の指導スタイルの変化を明かした。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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2015年大会で南アフリカを倒す歴史的番狂わせを演じた日本。当時のエディー・ジョーンズHCから16年に引き継いだのがジョセフHCだった。19年大会で史上初の決勝T進出。チームスローガン「ONE TEAM」は流行語になり、日本でラグビーの価値を高めながら今大会まで戦ってきた。
しかし、最初から何もかもうまくいっていたわけではない。長谷川コーチが明かす。
「最初の頃はコーチ、選手に何も説明せずに練習を始めていた。日本人選手は説明を受けるとしっかり動けるけど、『なぜ?』が先に立ってうまくいかなかった」
過酷なフィットネステストを頻繁に実施。しかも突然に。理由を言わないため、選手たちは戸惑い、フラストレーションも溜まった。「理由がないまま始めると、めちゃくちゃ怒る選手もいた」と笑って振り返る同コーチ。「『これは絶対上手くいかへんな』と思う時は必ず言います」。時間をかけてチームをつくる中、首脳陣がコミュニケーションを取りに行った。
「『何のためにやっているかわかったら、もっと日本人は頑張るよ』という話は何回かしました。それを伝えると、その場で説明してくれる、そういう柔軟性があるヘッドコーチだなと思います」
時が経つにつれ、何か迷いがあれば指揮官から「日本人としてどう思う?」と確認も。時に試合を全員で見たり、時にバーベキューをしたり。スーパーラグビーのハイランダー時代にもジョセフHCの下でプレーしたPRクレイグ・ミラーは「どういう時にチームにプレッシャーをかけると良いのか。しっかり成功を祝う時なのか。ジェイミーはそこがしっかりしている。チームのカルチャーをしっかりすることで絆が深くなっていく」と感謝する。