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ラグビー日本代表、W杯直前「1勝5敗」の現実 4年前から1試合平均「10.8得点」減少の要因は?

W杯の死闘で重要度を増す主将の存在

 このような絶対的なリーダーが、スコアも戦況も刻々と変わる80分の中で、選手の意識を集中させて、どんな方向に向かせ、全員に各自の役割を徹底させることができるかは、W杯のようになりふり構わず1点でも相手を上回ろうという死闘では、さらに重要度を増す。

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 姫野和樹主将(トヨタヴェルブリッツ)がリーダー失格なのではない。彼は、今のチームの中で適材なキャプテンの1人だ。その姫野がキャプテンとしてチームを背負い、1シーズン、2シーズンと戦うことで、誰もが自然に受け入れるリーダーになっただろう。

 19年大会で主将を務めたリーチ・マイケルは、15年大会から継続的にチームの先頭に立ち、先発を外れてゲームキャプテンを他の選手が務めても、メンバー誰もがリーダーはリーチだという揺るぎない信頼を寄せていた。19年大会までの4年間に、リーチが日本人、外国人選手1人ひとりに何が必要か、どんな言葉をかけるべきかを考え、しっかりと向き合ったことで、チームの絆は飛躍的に高まったことが、8強入りという歴史的な快進撃を後押ししたのは間違いない。

 今さら主将人事を語っても、本番待ったなしの段階だ。序盤戦の対戦相手についても簡単に触れておこう。

 開幕戦の相手チリは、世界ランキングは参加国中最下位の22位でW杯初出場。フィジカル面、技術面ではワールドクラスの域には達していない部分も見受けられる。ランク14位の日本にとってはマストウインの相手だが、執拗にディフェンスを繰り返す集中力と運動量、そしてボールを持てば思い切りのいいアタックを仕掛けてくるブルファイターのような戦い方は侮れない。しっかりと組織で戦うジャパン流のスタイルをこの試合で取り戻して、調子を落とし続けるイングランドとの第2戦へ調子を上げていくしかない。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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