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世界の超一流ランナーに見た人生観 「だから人生は美しい」悲劇の転倒を笑った女王ハッサンの名言【世界陸上】

次世代に伝えたい思い「辛いことの後には良いことがやってくる」

 2021年東京五輪では5000メートルと1万メートルで2冠を達成。1500メートルにも出場し、銅メダルに輝いた。

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 この3種目でのメダル獲得は史上初。「5000メートル&1万メートル」「800メートル~5000メートル」などの組み合わせで活躍する選手は多いが、全く異なる能力が求められる1500メートルと1万メートルで世界トップレベルであることが異次元の女王たるゆえんだ。

 世界陸上では金2つを含む通算4個のメダル獲得。今大会でも、異例の中長距離3冠に挑んでいた。この日は、1万メートル決勝の数時間前に1500メートル予選に出場。しかし、「それは関係ないと思う」と転倒への影響は否定した。

 圧倒的な実績に加え、まさかのドラマが発生。当然、多くの報道陣がハッサンを囲んだ。レース直後から世界中のテレビ局のインタビューに一つひとつ対応。記者エリアにたどり着くまで、転倒から1時間が経っていた。

 その間、ずっと話し続けていたことになるが、記者に対しても笑顔を絶やさない。スタッフが「ここまで」と打ちきった際には、申し訳なさそうな表情を報道陣に向けさえした。その裏には、次世代への思いがある。名言を放った後には、こう続けていた。

「私はそれを子どもたち、若い人たちに伝えたい。辛いことの後にはいつだって、良いことがやってくるから」

 数多くの成功を収めてきたトップアスリートにも、上手くいかないことはある。苦い経験を晒すことを厭わないハッサンの姿からは、誇りすらも感じた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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