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岩井千怜「楽しませたい」の原点は父の言葉 「まずは自分が楽しみなさい」が生んだ記録的完全V

女子ゴルフの国内ツアー・宮里藍サントリーレディス最終日が11日、兵庫・六甲国際GC(6513ヤード、パー72)で行われた。2位に5打差で出た20歳・岩井千怜(Honda)が5バーディー、1ボギーの68で回り、大会記録の通算23アンダーで1か月ぶりの今季2勝目&ツアー通算4勝目。5打差のまま逃げ切り、初日から首位を譲らない完全優勝を果たした。大会中は「ファンを楽しませたい」と繰り返し口にした新女王。その意識の原点は両親の教えだった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

宮里藍 サントリーレディスオープン、大会記録の通算23アンダーで優勝した岩井千怜【写真:Getty Images】
宮里藍 サントリーレディスオープン、大会記録の通算23アンダーで優勝した岩井千怜【写真:Getty Images】

宮里藍サントリーレディス最終日

 女子ゴルフの国内ツアー・宮里藍サントリーレディス最終日が11日、兵庫・六甲国際GC(6513ヤード、パー72)で行われた。2位に5打差で出た20歳・岩井千怜(Honda)が5バーディー、1ボギーの68で回り、大会記録の通算23アンダーで1か月ぶりの今季2勝目&ツアー通算4勝目。5打差のまま逃げ切り、初日から首位を譲らない完全優勝を果たした。大会中は「ファンを楽しませたい」と繰り返し口にした新女王。その意識の原点は両親の教えだった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 千怜は自分の心と向き合った。12番パー5、スタート時に5打あったはずの差が1つしかない。かつて世界ランク1位にまで上り詰めた申ジエの猛追。千怜は気づいた。「今、険しい顔してる。これじゃあ、見ている人は面白くないな」。すぐに切り替えた。「ここで良いショットをしたら沸くだろうな」

 第3打。残り55ヤードからピンそば2メートル半に寄せてみせた。沸き上がる大歓声。頭に描いた通りの光景が広がった。

「少し考え方を変えて『見ている人の歓声を聞きたい』と思っていました。ファンの方々をイメージする。ピタッと寄せれば、歓声が『ワーッ!』って」

 バーディーで2打差。14、16番でも1つずつ伸ばし、集まった3390人の歓声を自らのプレーで膨らませていった。終わってみれば2位の申、山下美夢有に5打差の完全優勝。12年キム・ヒョージュ、21年青木瀬令奈の大会記録17アンダーを大幅に抜き去った。

 いつも「ファンを楽しませたい」と繰り返す。初日15番パー4では、残り118ヤードの第2打を入れ、スーパーイーグルを奪った。クラブを銃に見立て、カメラに向かって撃ち抜くパフォーマンスを披露。4月の大会でもスーパーショットの後にギターを弾くポーズを取った。「次は何をしようかなって考える時間が楽しいんですよね」

 1か月前のプレーオフ。双子の姉・明愛と直ドラ合戦を演じ、優勝した時もそうだった。「楽しませる」の原点はどこにあるのか。幼い頃、父・雄士さんから言われた。

「見ている人が楽しくないとつまらないでしょ。自分が楽しんでゴルフをやっていれば、見ている人は絶対に楽しい気分になれるから。お父さんは君たちの逆転劇とか、逆境を乗り越えた瞬間を見るのが大好きだよ。まずは周りの人を喜ばせようとするのではなく、自分が楽しくゴルフをしなさい」

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