南ア撃破の地に「雰囲気が似ている」 ラグビー大野均、日本代表のW杯8強突破を確信する理由
ベスト8超えを目指す日本代表が9月までにやるべきこと
日本代表は前回大会のベスト8超えを目標に掲げるが、均さんは後輩たちが突破できると確信する理由を語っている。
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「前回大会で日本代表はベスト8に行きました。けれども、ベスト8から上に行く準備はできていなかった。今回、それを経験したジェイミージャパンは、予選リーグからしっかりと決勝トーナメントを見据えた戦い方を準備してくれると思いますし、予選リーグ最終戦のアルゼンチンは強豪国ですが、そこに対して日本代表が余力というか、しっかりとプランニングして自分たちのやりたいラグビーができるだけの準備をすることが大事だと思います。そのプランニングができるだけの選手層は揃っていると思います」
前回大会ではアイルランド、スコットランドという強敵を倒して準々決勝に進んだが、2015年には金星を挙げた南アフリカを相手に、選手たちには明らかに消耗の色が見えた。母国大会までの4年間も、追い求めてきたのは強豪揃いのプール戦をいかに勝ち抜くか。その後の戦いへの準備は、戦略面でもコンディション面でも、そしてメンタル面でもできていなかった。だが今秋の挑戦へ向けては、コーチ陣も、W杯を経験したシニア選手も、明確に8強突破をターゲットに据えて準備を続けているのは間違いない。
では、キックオフまで100日を切った段階で、選手たちにはどんな心構えが必要なのか。「もしご自身が今、代表にいたら」という質問に、3回のW杯経験のある均さんは、こう答えている。
「W杯イヤーにメンバー入りすれば、自分なら本当にW杯に出ることだけを目指します。他の選手を蹴落とすとかではなくて、自分もそこに立ちながら、日本代表全体がどうW杯で勝てるチームになっていくか、そのピースの1つになっていればいいなということをイメージしてキャンプに臨みます」
そして、これからキックオフまでに残された時間、フランスでチーム、選手がやるべきことについても、98キャップ保持者には明確に見えているようだ。
「予選リーグに入る時に、チームとしてもそうですし、個人個人が自分で試合に出たらやるべきことをしっかり明確にして臨むことです。ほとんどの選手は(やるべきことを)共有できていると思います。今から共有するのでは遅いと思うので、この3年間をかけてジョセフHCや選手たちそれぞれが落とし込んでいます。あとはそれをどうブラッシュアップして、レベルアップさせていけるかが、これから9月までの間にやるべき作業かなと思います」
最もテストマッチを戦ってきた男だからこその、後輩たちへのアドバイスであり、エールでもある。そのメッセージは、98のテストマッチで大野均が見せ続けたプレー同様、ブレることがない。
浦安からスタートする強化合宿に選ばれたのは、代表36人と同候補10人。46人がフランス行きの33枚の切符を争うことになるが、すでにジョセフHCの頭の中には、ほぼメンバーリストはでき上がっているはずだ。均さんが語るように、51日間が用意された国内強化合宿で、チームと自分たちをどこまでブレることなくブラッシュアップできるかが、8強突破のパスウェイになる。
【W杯フランス大会プールD・日本代表の試合日程】
9月10日 第1戦 vsチリ(22位/13:00/トゥールーズ)
9月17日 第2戦 vsイングランド(6位/21:00/ニース)
9月28日 第3戦 vsサモア(12位/21:00/トゥールーズ)
10月8日 第4戦 vsアルゼンチン(8位/13:00/ナント)
※キックオフは現地時間(日本時間は+7時間)。カッコ内の順位は世界ランキング(6月5日現在、日本は10位)
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)