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南ア撃破の地に「雰囲気が似ている」 ラグビー大野均、日本代表のW杯8強突破を確信する理由

日本の試合会場を視察、イングランド戦の会場は「ブライトンに似ている」

 そんな後輩たちに向けるように、昨年のフランス視察で直接目にした日本代表が戦う会場の印象を語る声に熱がこもる。特に日本代表の決勝トーナメント進出の行方を握る、イングランド戦の会場となるニースについてだ。

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「イングランド代表と試合をするスタジアムは、最初に入った時に2015年に南アフリカ代表と対戦したブライトンのスタジアムにすごく雰囲気が似ているなと思いました。芝生だったり、客席の様子だったり、屋根の感じとか。だからここで、もしかしたら日本代表がまた大きなことをやってくれるんじゃないかという期待感があるスタジアムでした」

 ブライトンの奇跡が起きたコミュニティ・スタジアム(現ファルマー・スタジアム)は、サッカー日本代表のMF三笘薫が所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの本拠地で、大会当時は3万750人のキャパシティを持っていた。今回イングランドと対峙するスタッド・ド・ニースも同じくサッカーのOGCニースの本拠地で、観客数3万5983人と若干大きな器だが、ともにW杯会場としてはミドルクラスの規模で、うねるような曲線を描く屋根が観客席を覆っている。この会場でブライトンの熱闘を再現できれば、2019年大会に続く決勝トーナメント進出を大きく引き寄せることになるだけに、均さんの期待も高まっている。

 ニース以外のスタジアムについても、寡黙なレジェンドは雄弁だった。日本が大会中の拠点を置き、チリ戦、サモア戦が行われるスタジアム・ド・トゥールーズ(3万3103席)については「お客さんとの距離も近いですし、裏側のロッカーも選手第一に考えられている施設です。私が2007年にプレーした時もそうでしたけれど、去年行った時はさらに進化していて、本当にプレーしやすいスタジアムだと思いました。2007年のトゥールーズの試合はフィジー戦だったのですけれども、1試合で体重が7キロ減って、ロッカールームでフラフラになりながらなんとかホテルに帰って点滴を受けた記憶が蘇ってきました」と、自身の経験談を交えて語っている。

 このスタジアムを根城にするスタッド・トゥールーザンは、フランスラグビーを代表する名門クラブ。メンバーにはSH(スクラムハーフ)アントワーヌ・デュポン主将を筆頭にフランス代表が居並び、トゥールーズの町自体が誰もが認めるフランスを代表するラグビータウンだ。日本代表も昨年11月のフランス代表戦で、スタジアム、町をシミュレーション済みだ。

 そして、アルゼンチンとのプール最終戦の会場となるナントのスタッド・ド・ラ・ボージョワール(3万5520席)は「私が行った時は工事中で芝生は見えなかったのですが、一番下の席は選手と同じような目線で試合が観れるし、上に行くと真上から芝生を俯瞰できるような作りなので、お客さんがそれぞれ自分の好きな目線で観戦できるスタジアムだなと思いました。スタンドにはいろいろな部屋があり、ファンの集まりだったりスポンサーの集まりができるような施設が揃っていて、皆が楽しめるようなスタジアムだと感じました」と、こちらはファン目線での印象を語っている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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