南ア撃破の地に「雰囲気が似ている」 ラグビー大野均、日本代表のW杯8強突破を確信する理由
ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会開幕まで100日となった5月31日、東京・南麻布のフランス大使館で、元日本代表LO(ロック)大野均さんの「フランス観光親善大使」任命式が行われた。初めて出場したW杯が、今年と同じフランスが舞台だった2007年大会、昨秋もフランス観光開発機構の招きでW杯開催地を中心に同国を巡るなど縁があることも手伝い、スポーツ選手では異例の観光親善大使に指名された。就任式の席で、日本最多の代表98キャップを誇るレジェンドは、W杯へ向けて6月12日から強化合宿に臨む日本代表の今、そして8強突破というミッション達成のためにいかに戦うかを熱く語った。(取材・文=吉田 宏)
フランス観光親善大使に就任、文化人が多い中で異例の人選
ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会開幕まで100日となった5月31日、東京・南麻布のフランス大使館で、元日本代表LO(ロック)大野均さんの「フランス観光親善大使」任命式が行われた。初めて出場したW杯が、今年と同じフランスが舞台だった2007年大会、昨秋もフランス観光開発機構の招きでW杯開催地を中心に同国を巡るなど縁があることも手伝い、スポーツ選手では異例の観光親善大使に指名された。就任式の席で、日本最多の代表98キャップを誇るレジェンドは、W杯へ向けて6月12日から強化合宿に臨む日本代表の今、そして8強突破というミッション達成のためにいかに戦うかを熱く語った。(取材・文=吉田 宏)
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キックオフまで100日の目玉イベントとしてフランス大使館が用意したのが、日本代表レジェンドの観光親善大使就任だった。
「たくさんの思い出があるフランスの観光親善大使として、日本の皆様にその魅力を発信するお手伝いをさせていただけるということを心から嬉しく思っています。現役時代に3度W杯に出場しました。どの大会も印象深いものでしたが、一番思い出深い大会は私自身の初のW杯となった2007年のフランス大会です。フランス独特のW杯の特別感、スタジアム内外での応援、そしてフランスの人たちから受けたホスピタリティ、そのすべてが私に大きな高揚感を与えてくれました」
いつもの朴訥とした語り口の中に、16年ぶりにフランスが舞台となる祭典への熱い思いが滲む。馴れ親しんだ“均さん”という呼び名で書かせていただくが、この日本最多キャップホルダーに白羽の矢を立てたフィリップ・セトン駐日フランス大使は、スピーチで任命理由をこう語っている。
「大野さんは去年、メディアツアーに参加されて、フランスで日本チームがこれから試合をする街すべてを見ていただきました。旅の中でラグビーファンやプロ選手の方々とも出会いがあり、フランスとの繋がりが深くなる中で、事実上の観光親善大使になられていたと思います。そして、大野さんはラグビーのエスプリというものを持っておられることも、我々が観光親善大使を決める時に求めた心の部分として向いていると思っています」
過去の日本人観光親善大使46人を見ると、黒柳徹子、辻仁成ら圧倒的に文化人が多い中で、W杯イヤーというタイミングで異例の人選となった。大使はエスプリといういかにもフランス的な表現を使ったが、社交的な挨拶の中にも、均さんがラグビー精神に満ちた男だと称したのは的を得たものだった。この男を置いて、日本でラグビーを象徴する存在はそう多くはない。