【パンパシ水泳】大橋悠依「絶対、辞めてやる」 公務員になっていたはずの“1年目の夏”に掴んだ金
競泳のパンパシ水泳(東京辰巳国際水泳場)第1日は9日、女子400メートル個人メドレーで大橋悠依(イトマン東進)が4分33秒77で日本勢女子1号となる金メダルを獲得。清水咲子(ミキハウス)が4分36秒27で銅メダルを獲得し、日本勢がダブル表彰台となった。悲願の国際大会金メダルを獲得した大橋にとって、社会人1年目の夏は“公務員になっているはずの夏”でもあった。
昨夏にブレイクしたシンデレラ「もう大学で水泳は終わりと思っていました」
競泳のパンパシ水泳(東京辰巳国際水泳場)第1日は9日、女子400メートル個人メドレーで大橋悠依(イトマン東進)が4分33秒77で日本勢女子1号となる金メダルを獲得。清水咲子(ミキハウス)が4分36秒27で銅メダルを獲得し、日本勢がダブル表彰台となった。悲願の国際大会金メダルを獲得した大橋にとって、社会人1年目の夏は“公務員になっているはずの夏”でもあった。
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もう終わっていたはずの競技人生で躍動した。大橋を変えたのは、昨夏の世界水泳だった。200メートル個人メドレーで自己ベストを2秒以上も短縮する2分7秒91の日本新記録を叩き出し、銀メダルを獲得。一気にシンデレラガールとして騒がれた。「その1年くらい前はもちろん、代表に入って活躍したいと夢見ていたのはあるけど、実際にできるとは思っていなかった」と振り返る。
高校時代は無名の存在。名将・平井伯昌コーチ率いる東洋大に進んだが、貧血に悩まされるなど、大学2年まで結果を残せずにいた。1つ上の萩野公介(現ブリヂストン)はリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得。大橋は大学の同級生はおろか下級生に先を越され、次々と代表に入っていった。それが、一気に才能が花開き、東京五輪のメダル候補として期待を集める存在となった。
「結構、ずるいタイプ」「要領はいい方と思う」と笑って自己分析する。平井コーチが別の選手に送るアドバイスを耳にすれば、自分に置き換えて吸収する。4月の日本選手権でも見せたように予選、準決と力を温存しながら決勝で爆発力を発揮するコントロールも巧みだ。それは選手としての大事な才能でもある。地道な努力を重ね、大学4年生にして日本を代表するまでに成長した。
3月に東洋大を卒業。イトマン東進の所属選手として競技を続けているが、かつての大橋からすると全くあり得ない世界だった。