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「日本全体のレベルを上げたい」 発熱でも2連覇、31歳になったやり投げ・ディーン元気の役割

発熱を抱えながら優勝したディーン【写真:奥井隆史】
発熱を抱えながら優勝したディーン【写真:奥井隆史】

日本全体のレベルアップへ「職人レベルでこだわってやっていきたい」

 20歳だった2012年織田記念国際で当時日本歴代2位の84メートル28。直後の日本選手権で大会記録を更新する84メートル03で初優勝し、村上幸史の13連覇を阻止した。夏のロンドン五輪に出場し、決勝(10位)まで一気に駆け上がった。しかし、腰、脇腹を相次ぐ怪我。治療やリハビリに多くの時間を割かれた。

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 心を休める時間をつくるため、17年に長期休養。復帰後も徐々に地力をつけ、昨年6月の日本選手権で10年ぶり2度目の復活優勝を遂げた。世界ランクで出場権を獲得した同7月のオレゴン世界陸上は、80メートル69で9位。2012年ロンドン五輪以来10年ぶりの世界大会で入賞まで1メートル55だった。

 世間を驚かせた12年織田記念以来、自己ベストは更新できていない。それでも、今月21日のセイコーゴールデングランプリを82メートル03で制し、着実に成長してきた。31歳になり、感じている役割がある。

「日本のレベルが上がってきていると思うけど、今は80~82メートルで争っている。85メートルくらいに引き上げないと。全体のレベルを上げていきたい。やり投げ人生も残り少ないので、85メートルまでいって(日本人にとって)80メートルを近いものにしていきたい」

 世界陸上の参加標準記録85メートル20は切れなかったが、世界ランクで代表入りできる見通し。今後は強豪フィンランドで試合に出る。「競技者に戻ってこられたので、職人レベルでこだわってやっていきたい。若い選手にまだまだ負けないので頑張ります」。世界と戦うため、己を磨き続けていく。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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