「日本全体のレベルを上げたい」 発熱でも2連覇、31歳になったやり投げ・ディーン元気の役割
8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が1日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕した。男子やり投げ決勝では、31歳のディーン元気(ミズノ)が82メートル65で2年連続3度目の優勝。発熱を抱えたが、ベテランの対応力で80メートル超えを連発した。長くはない残りのやり投げ人生で日本のレベルアップを図る。
陸上・日本選手権
8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が1日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕した。男子やり投げ決勝では、31歳のディーン元気(ミズノ)が82メートル65で2年連続3度目の優勝。発熱を抱えたが、ベテランの対応力で80メートル超えを連発した。長くはない残りのやり投げ人生で日本のレベルアップを図る。
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ベテランが確かな違いを見せつけた。雨が心配された大会初日。「何投目から降るかわからなかったので、1投目から狙っていった」。ディーンはいきなりエンジン全開だった。1投目に80メートル27をマーク。出場20人中、唯一の80メートル超えだった。4投目には右ふくらはぎをつるアクシデント。5投目は助走を増やし、リズムを使ってぶん投げた。
この日最長の82メートル65。新井涼平(スズキ)も最終6投目に80メートル60をマークしたが、ディーンは80メートル超えを3本そろえてみせた。
「ひとまず天気がもって最高でした。ベースが85メートルになるように、その可能性のある投げができた」
実は37.8度の発熱を抱えていた。2日前に誤って洗剤を吸い込み、嘔吐した後、のどを痛めた。痛みは引いたが、熱が残ったまま本番に。「自業自得です。何してんだと。情けない体調不良です」。足がつったのも水分不足から。言い訳しまいと、試合が終わるまで周囲には言わなかった。「情けない限りです」と自分を責めたが、「勝負に徹して勝つことができてよかった」と胸をなでおろした。