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ラグビー日本代表、世界「最上位層」入りの背景 加速する“縦軸”交流、王国NZと提携した意義

日本ラグビーが新たな時代へと足を踏み入れた。5月10日に東京都内で、日本ラグビー協会(JRFU)の岩渕健輔専務理事とニュージーランド(NZ)協会のマーク・ロビンソンCEOが会見を開き、両協会による覚書(パートナーシップ)の締結を発表した。今後、オールブラックス(ニュージーランド代表)ら同国代表、準代表クラスのチームが毎年日本代表級のチームと対戦するなど、2国間の交流を加速させる。

世界の列強が集う「ハイパフォーマンス・ユニオン」入りが承認された日本ラグビー。代表チームの今後の強化戦略も注目される【写真:JRFU】
世界の列強が集う「ハイパフォーマンス・ユニオン」入りが承認された日本ラグビー。代表チームの今後の強化戦略も注目される【写真:JRFU】

「ハイパフォーマンス・ユニオン」参入の日本、背景と可能性を考察

 日本ラグビーが新たな時代へと足を踏み入れた。5月10日に東京都内で、日本ラグビー協会(JRFU)の岩渕健輔専務理事とニュージーランド(NZ)協会のマーク・ロビンソンCEOが会見を開き、両協会による覚書(パートナーシップ)の締結を発表した。今後、オールブラックス(ニュージーランド代表)ら同国代表、準代表クラスのチームが毎年日本代表級のチームと対戦するなど、2国間の交流を加速させる。

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 さらに翌11日には世界統括団体ワールドラグビーが、新たに設けた「ハイパフォーマンス・ユニオン(HU)」というカテゴリーに日本協会が参入することを承認。NZ、イングランドら世界トップ10の協会と同等の扱いを受けることになる。国際ラグビーの大きな変革のうねりは、日本代表に何をもたらすのか。その背景と可能性を考える。(取材・文=吉田 宏)

 ◇ ◇ ◇

“ラグビー王国”NZとの覚書では「両国協会の連携を深め、アジア太平洋全体のラグビー競技を発展させるため」と畏まった説明がされているが、具体的にはオールブラックス、マオリ・オールブラックス、オールブラックスXV(フィフティーン)という代表クラスのチームと日本のチームとの対戦に加えて、同国との間でリーグワン、女子ラグビー、7人制、ユースレベルなど多岐にわたる交流も深めていく。

 オールブラックスはラグビーファンなら誰もが知る世界最強軍団だが、「マオリ」は同国先住民の血を引く選手で編成される“代表”チームで、「XV」も今年7月に日本代表勢で編成されるチームと2試合を組む準代表に匹敵する。いずれも世界トップ10クラスの実力を持つ強豪だが、岩渕専務理事は今回のパートナーシップの意義や恩恵をこう受け止めている。

「日本のラグビーにとって非常に大切なこととして、今後、世界の中でどう戦っていけるのかということがある。これを永続的にどのように作っていけるかが非常に大きなポイントです。競技力以外でも、我々はまだ世界の強豪国ではないので、NZからいろいろな知見をもらって、さらに前に行って、いつか追い越せるようなユニオン(協会)になるべく、しっかりとやっていきたい。そういう意味で、今回の連携は日本にとっては大きな第一歩だと思っています」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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