女子ゴルフの「プロとアマの違い」 メジャー女王・吉田優利の実体験「上手い人ほどそれが早い」
優勝翌日も朝8時から練習「勝って次にどうするか」
昨季は2位が5度ありながら優勝に届かず、3勝目が遠かった。やっとの想いで手に入れたが、涙はなく、印象付けたのは歓喜のスマイル。そして、慢心は一切ない。優勝翌日の月曜は朝8時から辻村明志(はるゆき)コーチのもと、12番第2打のミスを克服することを意識して練習。「優勝しても自分の中では(気持ちは)特に変わらないです」。当たり前のように技術練習、トレーニングを積んだ。
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地道な努力があるからこそ、重圧のかかる優勝争いの真っただ中でも原因に気づくことができ、すぐに改善しながら戦い抜くことができるのだろう。さらに14日までの今大会、プロの姿を見せたのはプレーだけではなかった。
第2日ラウンド後、レッスン会に参加したちびっ子ギャラリーとの記念撮影会に臨んだ。雨中のラウンドの疲れもある中、10組の親子に一人ずつ対応。撮影を終えると、プロの方から「ありがとう」と一人ひとりに声をかけた。最初はシャイだった少年少女も思わずにっこり。サイン色紙もプレゼントし、プロとしてファンサービスを惜しまない。直後、雨の降る練習場へ向かった。
初日65位と出遅れたが、第2日は雨の悪条件でスコアをまとめ、カットライン上の41位で予選通過。最終日は28位まで巻き返した。次の目標も自分で決める。決してコーチに依存することはなく、自ら考え、主体性を持つことが成長を支えていた。
「コーチとは、目標についても自分から話す関係性です。辻村さんがどう言ったからどうするとかではなく、自分が主導してサポートしてもらう。3勝してゴルフが終わるわけでもないし、もっともっと上を目指したいと思っている充実感もあって涙もなかったです。勝って次にどうするか。全てにおいてレベルアップしたい」
強い言葉の中には、プロ意識がはっきりと刻まれていた。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)