岩井千怜&明愛、父が教えた人を思いやる心 ミスしても不貞腐れず「笑ってプレーしなさい」
女子ゴルフの国内ツアー・RKB×三井松島レディス最終日が14日、福岡CC和白C(6299ヤード、パー72)で行われた。双子の岩井明愛、千怜(ともにHonda)が通算11アンダーで並び、昨季の年間女王・山下美夢有(加賀電子)も含めた3人でプレーオフ(PO)に。史上初の姉妹によるPOを妹の千怜が制し、昨年8月以来のツアー通算3勝目を挙げた。明愛は4月に初優勝し、同一年度の姉妹Vも史上初。重圧のかかる場面でも楽しむことを貫いた背景には、父・雄士さんの「ミスをしても笑ってプレーを」という教えがあった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
RKB×三井松島レディス最終日
女子ゴルフの国内ツアー・RKB×三井松島レディス最終日が14日、福岡CC和白C(6299ヤード、パー72)で行われた。双子の岩井明愛、千怜(ともにHonda)が通算11アンダーで並び、昨季の年間女王・山下美夢有(加賀電子)も含めた3人でプレーオフ(PO)に。史上初の姉妹によるPOを妹の千怜が制し、昨年8月以来のツアー通算3勝目を挙げた。明愛は4月に初優勝し、同一年度の姉妹Vも史上初。重圧のかかる場面でも楽しむことを貫いた背景には、父・雄士さんの「ミスをしても笑ってプレーを」という教えがあった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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双子姉妹は最後まで明るく、果敢に攻める姿でファンを楽しませた。496ヤードの18番パー5で行われたPO2ホール目。まずは明愛がこの日2度目の“直ドラ”にトライした。距離は稼げるが、コントロールミスのリスクもある選択。一気にグリーン手前まで運ぶと、続く千怜が握ったのもドライバーだった。
「ファンの皆さんを楽しませたい。見ていて面白いゴルフを。ここまで来たら楽しまなきゃ損だな」
グリーンエッジまで約240ヤード。あと数メートルのところで惜しくも届かなかった。でも、ファンの歓声と拍手の大きさが、2人の凄みを証明していた。しかも、千怜は試合で直ドラをやったことがない。「明愛が打ったのでいけるかなって。失敗する予感がしなかった」
土壇場で失敗を恐れることなく振り切る姉に「アドレナリン出てるなぁ。明愛らしい」と勇気をもらった妹。決めれば勝利となる約2メートルのパットを沈め切った。ガッツポーズよりも先に天を見上げ、フーっと息を吐く。7バーディー、ボギーなしの65で追いついてからのPO。体中が解放感で満たされた。
「『やっとだ』っていうのと、緊張がほどけたのと、嬉しいのが出てきた。プレーオフに持ってくるまでのプレーが全力。そこからプレーオフでよく耐えた。今日はその場を凄く楽しんでいて、たくさんのギャラリーに囲まれて、夢にしていた明愛とのプレーオフが叶った。本当に現実なのかなって思えたし、でもその状況を凄く楽しんでいる自分もいた。いまだに信じられないです」
同じく明愛も「こんなに楽しいんだ」と熱中していた。ともにミスをしても表情は大きく変えない。それどころか、少しだけ口角が上がっている時さえもある。幼い頃、父・雄士さんに教えられた。
「たとえミスをしても笑ってプレーしなさい。ミスをしてつらいと思うけど、笑って忘れてしまえばいいでしょ」