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「4回転トウループはもう少しで…」 飛躍する15歳新星・中井亜美、2026年五輪への未来予想図

日本スポーツ界の将来を背負う逸材は幼少期からどんな環境や指導を受けて育ち、アスリートとしての成長曲線を描いてきたのか――。10代で国内トップレベルの実力を持ち、五輪など世界最高峰の舞台を見据える若き才能に迫ったインタビュー連載。今回は日本の女子フィギュアスケート界に現れた次世代スケーターの1人で、15歳の誕生日を迎えたばかりの中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、シニアのトップ選手が出場する全日本選手権で4位に入るなど大きな飛躍を遂げた今シーズン。後編では4回転ジャンプの習得など、さらに高いレベルの演技を目指すなかで、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への思いなどを語った。(取材・文=松原 孝臣)

中井亜美は3月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した【写真:Getty Images】
中井亜美は3月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した【写真:Getty Images】

連載「10代逸材のトリセツ」、中井亜美(フィギュアスケート)後編

 日本スポーツ界の将来を背負う逸材は幼少期からどんな環境や指導を受けて育ち、アスリートとしての成長曲線を描いてきたのか――。10代で国内トップレベルの実力を持ち、五輪など世界最高峰の舞台を見据える若き才能に迫ったインタビュー連載。今回は日本の女子フィギュアスケート界に現れた次世代スケーターの1人で、15歳の誕生日を迎えたばかりの中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、シニアのトップ選手が出場する全日本選手権で4位に入るなど大きな飛躍を遂げた今シーズン。後編では4回転ジャンプの習得など、さらに高いレベルの演技を目指すなかで、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への思いなどを語った。(取材・文=松原 孝臣)

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 中学入学を機に新潟市を離れ、千葉県へと移って2年が過ぎた。

「街並みや車の数が新潟と全然違って驚きました。1年生の頃は環境に慣れなくて体調が崩れることが多かったんですけど、だんだんと勉強も慣れてきて友達もできるようになってきて。アカデミーでも友達ができたし、いい環境で練習できています」

 海外遠征なども増えてくるなか、学校と練習の両立をどのように図っているのか。

「なるべく学校には行くようにしています。練習時間は1日に4時間くらいあります。練習して、家に帰って宿題して、というのを繰り返しています。(睡眠は)多い時で6時間くらい、少ない時は5時間くらいです。最初の頃は大変だったんですけど、少しずつ慣れてきました」

 大変ではあっても、学校生活を送りながらフィギュアスケートに打ち込む日々を支える原動力は、フィギュアスケートへの思いにほかならない。

 浅田真央の演技をテレビで観て惹かれ、それをきっかけとしてスタートを切ってから、もう10年ほど経とうとしている。年数をかけて取り組んできたなかで、フィギュアスケートの魅力をこのように語る。

「跳んだりするのも自分の中ではすごく魅力的だなと思うんですけど、やっぱり1人、大きなリンクで滑って演技することができること。たくさんのお客さんが自分1人に集中して見てくれること。それがとても嬉しいです」

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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