もう35歳、まだ成長できる 元世界王者・尾川堅一が再起戦完勝「練習が楽しいんです」
記者に囲まれ「こんなにしっかり話を聞いてもらえて嬉しい」
帰ってきたリングはノンタイトル戦。永田丈晶(協栄)が山内涼太(角海老宝石)に判定勝ちした日本フライ級王座決定戦の前座だった。狭い後楽園ホールの控室前の通路で取材対応。最初は立ったままだったが、記者が増えてスペースのある場所に移り、椅子が用意された。「こんなにしっかり話を聞いてもらえて嬉しいですね」と汗を拭って熱弁する。
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「(前回負けて)左のガードを意識していた。意識しないと下がる。考えるようになって、いろんなことがわかってきました。今までは勢いとかでやっていたけど、ああやって倒されてそういうのじゃ通用しないと教えてもらった。もっと成長できる。しっかりできる自信がある。
自分の視点でガードの位置が変わるんですよ。サウスポーとばかりやっていたので、左拳に視点が行き過ぎていた。試合直前に右拳に視点を持っていって、トレーナーにも『立ち位置がよくなった』と言われました。微妙な差です。そういうことに気が付いて、より一層練習が楽しいんです」
2月に35歳になった。まだ悔しい、楽しいと思える。リングを降りた直後、花道にいた3人の息子とグータッチ。「子どもたちも嬉しそうにしていた」。家族にも、ファンにも再び見せたい姿がある。
「心残りは世界チャンピオンになって試合を見せたかった。負けても世界ランクは上位にいる。チャンスは自分で掴まないといけない。もう35歳。今年が勝負。チンタラしていられない」
世界王座返り咲きへ。まだ成長できる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)