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三原舞依、文武両道で磨いた“集中力” 大学生活で得た学びとフィギュアへの好影響

大学に進学して「人生における学びがたくさんあった」

 練習への道中だけではなかった。

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「学校で休み時間も使って宿題を終わらせて、列車では予習みたいな感じで勉強したりもしました。そうすることで、できるだけ練習に集中できる時間を増やそうとしていました」

 学校が終わったら、一般営業の時間に練習してから貸切りでの練習。そういうスケジュールが基本だったから、「学校が終わってすぐスケートに集中できるようにという考えから、自分なりにやっていたのかなと思います」。

 それは勉強とスケートとの両立を可能にした土台になっただけにとどまらない。

「電車の中ですごい集中しながらやったり、中学、高校、大学と移動時間での勉強はずっとやってきたことでもあるので、集中力を身に着けることができたかなって思います」

 限られた中で集中力を発揮する習慣は、フィギュアスケートの取り組みの中でも生きていたはずだ。

 大学に、そして大学院に進んだ後もその姿勢を貫いたことは、海外に行く時には参考書や研究書を持参して合間を縫って勉強や研究に励んでいたことにも表れている。

 時間を無駄にすることなく、わずかな時を活かしてこそ両立ができた。

 大学では経営学部に身を置き、幅広く経営学を学んだ。フィギュアスケートもまた、大会などのスポンサーをはじめ多くのビジネスが関わっている。それらを知るとともに、人と人がどう結びついて成り立っているのか、組織の在り方なども学んだ。

「大学に進学して毎日さまざまな授業を受けることができて、私の人生においてたくさん生かしていけるような学びがたくさんありました」

 フィギュアスケートに思いきり打ち込み、学業でも得てきたことの大きさを実感する。だから今、大学で学んでいる学生に向けて、「恐縮ですけれど」と断りつつ、メッセージを送る。

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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