羽生結弦は「何か持っている」 元コーチ阿部奈々美、教え子の稀有な才能に触れた日々
「楽しく、長く続けてもらう」ことが最大の目標
羽生は昨年7月にプロスケーターへの転向を表明して以降、地元・仙台でも精力的に活動している。アイスリンク仙台での練習の様子をライブ配信したほか、昨年12月には同リンクで開催された地方競技会にサプライズ登場。また今年3月には、宮城県利府町でのアイスショーを予定している。
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「ゆづのスケートを見て、スケートを好きになる人がもっと増えたら嬉しい。選手のモチベーションにもつながるはず」
この先も羽生が仙台のフィギュアスケート界を形づくっていくと、信じてやまない。
「とにかくスケートを好きになってほしい」
阿部の指導者としての思いは、至ってシンプルだ。
全日本や五輪を目指すトップスケーター、学業を優先し年に数回の大会出場に照準を合わせる大学生スケーター、生涯スポーツとして氷の上に乗ることを楽しむ大人スケーター……。阿部のもとには、多種多様なスケーターがいる。そのすべてのスケーターに「楽しく、長く続けてもらう」ことを最大の目標に掲げている。
仙台の地で、偉大な恩師や教え子と接してきた阿部だからこそ、その思いは人一倍強い。(文中敬称略)
(川浪 康太郎 / Kotaro Kawanami)