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日本代表で唯一の女性選手 「生死彷徨った」車いすラグビー倉橋香衣の人生のテーマ

車いすラグビー日本代表チームで唯一の女性選手として活躍する倉橋香衣(商船三井/AXE)。男女混合競技とはいえ、圧倒的に男性選手が多い環境の中でも怯むことなくタックルを仕掛け、体を張ったプレーで仲間のトライを演出する姿が印象的だ。そして何より、彼女の存在を大きく印象づけるのが、周囲を明るく照らす大きな笑顔でもある。

車いすラグビー日本代表チームで唯一の女性選手として活躍する倉橋香衣【写真:日本車いすラグビー連盟提供】
車いすラグビー日本代表チームで唯一の女性選手として活躍する倉橋香衣【写真:日本車いすラグビー連盟提供】

トランポリン事故で車いす生活となるも「生きていて良かった」

 車いすラグビー日本代表チームで唯一の女性選手として活躍する倉橋香衣(商船三井/AXE)。男女混合競技とはいえ、圧倒的に男性選手が多い環境の中でも怯むことなくタックルを仕掛け、体を張ったプレーで仲間のトライを演出する姿が印象的だ。そして何より、彼女の存在を大きく印象づけるのが、周囲を明るく照らす大きな笑顔でもある。

【前編】仲間の理解から始まるチームの輪 違いを越えて生かす自分らしさ / 車いすラグビー 倉橋香衣選手インタビュー(GROWINGへ)

【後編】銅メダリストが感謝する様々なサポート 再確認した応援が持つチカラ / 車いすラグビー 倉橋香衣選手インタビュー(GROWINGへ)

 自身では「もうあかんって言ってばかりのネガティブな性格」と謙遜するが、なかなかタフな精神の持ち主だ。大学生の時、所属したトランポリン部の練習中に頭から落ちて頸髄を損傷し、集中治療室で生死を彷徨った。意識が戻り、車いす生活になると分かると、真っ先に思ったのが「車いすには乗れる怪我で済んだし、生きていて良かった」ということ。「ドーンと落ち込むことはなかったですね。自分が技を失敗した結果。折れてしまったものは仕方ない。首を怪我したら危ないとは聞いていたので、頭から落ちた時点で『これは車いすになるのかな』と思いました」と当時を振り返る。

 事故後、まず目指したのは大学への復学だった。復学するためにはリハビリに励み、車いすでの生活に慣れる必要がある。「体を動かすのが好きだからリハビリが苦になることもなく、(高校までやっていた)体操やトランポリンで新しい技を覚える感じで、少しずつ何かができるようになることを楽しめました」。そうやってリハビリを楽しむ様子は、しっかり周囲にも伝わっていたようだ。

「リハビリ中も含めていくつか病院を転々としていた頃、担当してくれた理学療法士さんの一人がノートに『楽』という漢字を大きく書いていたんです。なんでもリハビリに取り組む私を見て『頑張っているし、楽しんでいるな』と思い、『楽』という漢字を書いてくれたそうで。それ以来、私も『楽』という漢字をいただいて、大切にしています」

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