日本サッカー史上唯一、W杯予選途中の解任劇 指揮官が語る「腹括った」瞬間
韓国に逆転負け後、敵地カザフスタンでの痛恨ドローが決定打に
「東京での韓国戦が大きなヤマだと思っていました。そこでああいう負け方をしたことで、クビが飛んでも仕方がないなと思いました。次のカザフスタン戦は3-0くらいで勝てた試合だった。ところが時間が進むにつれて、もしかしたら危ないかもしれないと……。そうしたらロスタイムが7分もあって……。予選途中とはいえ、思ったとおりの結果が出ていないのだからと、腹を括りました」
この解任劇は、JFAがW杯予選の途中に監督を代えた唯一のケースとなった。
岡田が引き継いだ後も、日本が東京での第6戦で、2位の座を争ったUAEに1-1で引き分けると、一部のファンが暴動を起こした。
「結果については、クラブの何倍も厳しく跳ね返ってくる」
それはクラブで成功し、日本代表では歴史上でも最も大きな責任を背負った加茂ならではの、実に重い言葉である。
(文中敬称略)
【了】
加部究●文 text by Kiwamu Kabe