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結婚、コミュニティ運営、指導者の夢 女子ラグビー鈴木彩香が引退後も切り拓く道

先駆者が思い描く女子ラグビーの理想像

 将来的な夢としての代表監督という目標は認めながら、現状ではWRCや、新たな家庭をしっかり築くという身近な挑戦から着手していくことになる。活動を続けながら、本格的なコーチとしての学習、そして経験値と実績を積み重ねるなかで、代表監督という目標が具体性を帯びてくるはずだ。

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 会見の最後には、彩香さんが思い描く女子ラグビーの理想について、こう語っている。

「ラグビーを選んだ女子選手が、強くなりたい選手は当たり前のように強くなれるような選択肢を選べて、ラグビーを楽しみたい選手は思い切り楽しめるような、それぞれが十人十色でラグビーを通して何かを得ることができるような世界になってほしいなと思っています」

 四半世紀にわたりラグビーに魅せられ、ラグビーに愛されてきた。その間に多くの歓喜も挫折も味わってきたことが、1人のおてんばな天才少女を、ラグビー選手の、そして女性のあるべき姿を模索し、その可能性を切り拓こうとする大人の女性に成長させた。選手としての旅路は終着点に辿り着いたが、この女子ラグビーのパイオニアが残した轍に続く選手たちとの挑戦は終わらない。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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