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結婚、コミュニティ運営、指導者の夢 女子ラグビー鈴木彩香が引退後も切り拓く道

WRCが挑戦したい様々なミッション

 彩香さん自身がプレーヤーとして思い悩んだことや、自身の経験を多くの選手たちと共有し、様々な課題を乗り越えるために生かしてほしいという願いがWRC設立に繋がった。この組織での活動をベースに、今後も現場での指導や普及活動などで、様々なチーム、選手、そして企業なども巻き込んで日本の女子ラグビーを後押ししていく。

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「女子選手のなかでも、まだまだこのコミュニティの活用方法が分からなかったり、遠い存在だったりしているので、女子ラグビーだけではなく、スポーツ界、地域社会や、私が育った横浜や熊谷で、皆さんと一緒にスポーツというもので何か盛り上げていって、活用できればいいなと思っています。誰かにやらされるのではなく、自分たちで考えて実行するというところが、私は今の世の中で大切だと思うし、(元女子15人制日本代表監督)萩本光威さんから教えられた、しっかり状況を見て、考えて判断しなさいということが、今後の活動に生きると思います」

 WRCでの活動は、引退前から始まっている。彩香さんをはじめとする選手たちの問題や課題と同時に、女子ラグビーの社会との関係、位置づけにも取り組もうとしている。

「私たちでオンラインの認知度調査をしました。そのなかで女子ラグビーの認知度は実際に知っていて、内容もすごくよく理解しているのは1200人中8%でした。知っているけど内容が分からない(43.2%)とか、聞いたことがない(48.8%)というのがこの数字になっている。こういう結果のなかで、私たちがやるべきことが、だんだんと明確になって、これから女子スポーツの地位向上だったり、女性の健康増進、女性の活躍推進ということで、女子ラグビー選手がこういうことに取り組んでいくか、これからの社会課題の解決に生かしていければいいなと思います」

 自らの経験も含めて実感として指摘するのは、競技人口の一極化であり、現役を引退した彩香さんにとってもチャレンジする課題でもある。

「今、女子ラグビーが盛んなところは集中的になっています。関東だったり、関西、九州だったり。地方では、男子と一緒に練習しています、(選手不足で)女子とはできませんという環境も多いと思うので、できるのであれば全国いろいろなところに行かせていただいて交流するとか、なんとかラグビーをする環境だったり、繋がりを持てるような役割を担っていきたいと思っています」

 今後はインスタライブのようなオンラインと、クリニックやキャラバンなどのリアルな活動を展開して強化・普及に取り組み、WRCが掲げるビジョン、ミッションを実現していくことになる。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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